東京オリンピックサッカー:オーバーエイジ候補選びは戦略ファースト

(2020年7月23日更新)

東京オリンピックサッカーのオーバーエイジ(OA)枠に相応しい選手を考えるのは楽しいが予想はかなり難しい

サッカー評論家やファンは人気や補強という視点でOA候補として大迫選手・柴崎選手などをリストアップしているが、本当に彼らでいいのでしょうか?

過去の五輪でベスト4になったチームの試合データを分析した上でリストアップしているなら私は納得するが、「(人気)選手ファーストで選んでいるような気がする。

そこで私が過去の五輪成績を分析した結果得られた情報に基づく戦略ファースト」のOA選考ベストと考えるOA候補を紹介したい。 

人気・補強・招集可能性という視点でのOA候補

 

マスコミは人気・実力・補強という視点でOA候補を予想しているが、それで充分なのだろうか?

リオ五輪やロンドン五輪でのブラジル、ドイツ、日本が選んだOA選手を見ると少なくても人気は考慮されていない。欧州でプレーする選手の人気や実力が高くても招集可能性は極めてゼロに近いからだ。

ここで言う補強とは五輪世代の個人的な実力不足を補うための手段だろう。さらに、サッカーはチームスポーツなので、個人の実力よりもチームの連携をより重視しなければならない。

  

 

OA選びのポイントは過去の五輪から学べる

 

歴史をみれば過去の失敗(成功)の理由が分かる。それでは過去五回の五輪大会でベスト4になったチームの試合結果(グループ・ステージ)を分析した結果を見てみましょう。 まず、記事を2本紹介。

 

① 過去五回の五輪でベスト4となったチーム

2020東京オリンピックサッカー:出場国と過去の五輪成績 

 

② ベスト4に輝いたチームの成績分析結果から得られた情報

東京五輪サッカー男子:ベスト4になる為にGSで必要な成績 

 

2番目の記事、ベスト4になるためにグループ・ステージ(GS)で必要な成績の分析結果は下記の通り。

 

重要な点は3つ(%はベスト4確率)

(ベスト4の目安となる他の指標は見当たらなかった) 

  • GS1位     65%
  • GS失点1以下 80%
  • GS3勝    100%

GS1位のベスト4確率は思ったより低い

  • 日本チームはロンドン五輪(4位)でスペインと同組であったがGS1位

GS失点1以下ならベスト4の確率は高い

  • 日本チームはロンドン五輪(4位)でGS無失点

GS3勝チームのベスト4の確率は100%だが、

  • 過去5大会ではブラジルとアルゼンチンのみが達成。日本には当てはまりそうもないが、GS3勝を目指して欲しい

上記の点を考慮して日本が取るべき戦略について考察するが、その前に日本代表五輪成績をレビューしておきましょう。 

 

 

日本代表過去5回のオリンピック成績

 

日本代表はロンドン五輪で4位

OA規定が導入されてから最高の成績。

この時のOA選手は

  • センターバック 吉田麻也
  • 左サイドバック 徳永修平

GSの結果は1位及びGS無失点。

OA選手をどうして2名に限定したかは分からないが、3名であったらメダルを取れていた!?

 

リオ五輪では1勝1分1敗GS3位で予選敗退

  • センターバック 塩谷 司
  • 左サイドバック 藤春廣輝
  • FW        興梠慎三

 

北京五輪では召集0で3戦3敗でGS敗退

  •  OA枠使用せず

アテネ五輪では1勝2敗GS4位で予選敗退

  • GK      曽ヶ端準 
  • MF              小野伸二

 

シドニー五輪ではベスト8

ブラジルに総得点で1及ばず2勝1敗GS2位。

  • GK            楢崎正剛                                         
  • センターバック 森岡隆三
  • MF        三浦淳宏                            

 

 

日本代表が取るべきオーバーエイジ選考戦略 

過去5大会ベスト4になったチームのGS成績及び日本代表の過去5大会の成績から導ける戦略は、

  • GS失点1以下を狙うチーム編成

具体的なOA枠は、

  • ディフェンス2
  • ボランチ1

これが私の考えるメダル獲得に向けた「戦略ファースト」のOA候補選び。

 

JFAは東京五輪メダル獲得にどんな戦略を立てているのだろうか?因みに、戦略はJFA幹部が立てるもの。それに沿って戦術を考え実行するのが監督

 

戦略に基づきOA候補を絞るなら、

ディフェンスは、

  • 畠中槙之輔         DF 横浜F・マリノス
  • 佐々木翔             DF サンフレッチェ広島
  • 谷口彰悟                DF 川崎フロンターレ
  • 酒井高徳                DF ヴィッセル神戸
  • 森重 真人               DF FC東京

ボランチは、

  • 山口 蛍             DM ヴィッセル神戸
  • 三竿 健斗               DM 鹿島アントラーズ
  • 大島僚太             DM 川崎フロンターレ

(吉田麻耶選手や遠藤航選手の招集は難しいだろう) 

いずれにせよ、3月30日のW杯アジア2次予選モンゴル戦を見れば自ずとOA候補も絞られてくるだろう。 

  

 

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おわりに 

 


 

アジア2次予選では若手の起用が少ない。「何が起こるか分からないのがアジア2次予選」と周囲、特にスポンサーやマスコミが視聴率稼ぎの為、が煽るのを盾に、過去6回連続五輪に出場しているにも拘らず100%安全志向の「ベストメンバー」で戦った。 

JFAは日本の実績に自信が持てないのだろうか?日本の実力を信頼していないのだろうか?従来の枠から「一歩でも踏み出そう」という勇気やチャレンジ精神は持ち合わせていないようだ。 

さらに、ベストメンバーで臨んだ2019年11月17日のU-22コロンビア戦に惨敗するまでは東京五輪世代だけでやれると思っていた節がある。 しかし、その後方針を変えてOA枠を活用するようだ。
東京五輪開催がどうなるかは別として、開幕までに残り5カ月を切った。この短期間に欠かせないのが、OA戦略の次の戦略、即ち、金メダル獲得戦略大胆な戦略を立てて実行できれば金メダルの可能性は大きく膨らむ。
例えば、アジア2次予選
  • 五輪世代を多用する
  • OA活用戦略を決めてその候補を積極的に試す
  • OA候補と五輪世代候補を同時起用して連係を積み上げる

(前年ながらこれまでのところアジア2次予選と五輪世代強化を全く別に考えているようだ。残り4試合のアジア2次予選でのチャレンジを期待

不安視する方は大勢いらっしゃると思うが、大胆な戦略を実行したからといって2次予選敗退などあり得ない話。仮に敗退危機に直面しても巻き返せるだけの実力を日本代表チームは備えている。もっと選手と現場を信頼して2次予選をサポートして欲しい。 

いかがでしたか? OA選考にはいろいろな考えがあるかと思いますが、五輪の歴史に刻まれたデータをベースに戦略ファーストの選考を紹介しました。OA候補を考える上で少しでもご参考になったなら幸いです。