はじめに
欧州組の2021-22年シーズンのほぼ半分が終了しました。そこで日本人選手の実績を独自の視点でランキング、上位選手からベストイレブンを選出。
出場時間・得点・アシスト(GKにはクリーンシート)などの実績だけでなく、リーグやクラブのレベルの違いをサッカーリーグ世界ランキングとサッカークラブ世界ランキングを実績に反映した独自の視点でのベストイレブン。
欧州でプレーする日本人選手42名をポジション別にランキング。MV(市場価値)との比較や代表招集予想・選考評価の参考にして頂ければ幸いです。
欧州組を4つの視点で算定
4つの視点とは、
- リーグ点 所属リーグレベルに応じて点数付加
- クラブ点 所属クラブレベルに応じて点数付加
- 出場点 所属クラブでの出場時間に応じて点数付加
- ボーナス点 公式戦ゴール・アシストなでに応じて点数付加
これらの合計点で各選手をランキングしてベストイレブンを選びます。なお、これらの4つの視点に関する詳細はこちらをどうぞ!
ポジション別実績ランキング
合計点で算出した欧州組実績ランキングは下記の通り。
なお、最新の日本人選手の推定市場価値ランキングについてはこちらをどうぞ!
項目説明
- L点:2021年8月1日現在の世界リーグランキングに基ずくリーグ点
- C点:2021年12月19日現在の世界クラブランキングに基ずくクラブ点
- 出場点・B点:2021-2022シーズン12月21日までの公式戦出場実績
- 合計:出場点+通期換算B点(B点のほぼ倍)+L点+C点
- MV:2021年12月23日現在の市場価値(M€)でEvenは6月比変わらず、Upはアップ、Downはダウン。EorUorDなしは6月以後の市場価値未発表
GK
- 推定市場価値M€はシュミット0.6、中村0.5、川島0.35の順
- 川島選手と中村選手は21-22前半リーグ戦出場実績ゼロなので、シュミット・ダニエルで決まり
R |
選手 |
所属クラブ |
合計 |
MV |
1 |
シュミット |
シント・トロイデン |
151 |
0.6 |
2 |
川島永嗣 |
RCストラスブール |
80 |
0.35E |
3 |
中村航輔 |
ポルティモネンセ |
71 |
0.5 |
(内訳)
R |
選手 |
出場 点 |
B点 |
L点 |
C点 |
1 |
シュミット |
95 |
8 |
30 |
10 |
2 |
川島永嗣 |
1 |
2 |
40 |
35 |
3 |
中村航輔 |
1 |
2 |
40 |
25 |
DF
- 推定市場価値は冨安25、板倉3.5、吉田3.2、伊藤3.0、菅原3.0の順
- 伊藤洋輝の市場価値は6月比5.5倍の急騰。遠藤 航と同じシュトゥットガルトでレギュラーポジションを勝ち取ったのが大きく評価された。日本代表も近い
- 板倉滉はほぼフル出場しているが、ブンデスリーガ2部のためリーグとクラブのランキングが低く上位に食い込めない
- 長友の後継者の1人、中山雄太は日本ではある程度評価されているが、移籍後の市場価値比では0.2M€ダウンの0.8M€。2022年夏に中堅クラブへ移籍して一定の活躍をすれば評価も上がり日本代表での左SB確保が期待できる
R |
選手 |
所属クラブ |
合計 |
MV |
1 |
冨安健洋 |
アーセナル |
245 |
25U |
2 |
菅原由勢 |
AZアルクマール |
193 |
3 |
3 |
吉田麻也 |
サンプドリア |
183 |
3.2 |
4 |
伊藤洋輝 |
シュトゥットガルト |
166 |
3U |
5 |
中山雄太 |
PECズヴォレ |
154 |
0.8 |
6 |
植田直道 |
ニーム |
132 |
0.8 |
7 |
橋岡大樹 |
シント・トロイデン |
130 |
1 |
8 |
板倉 滉 |
シャルケ |
129 |
3.5E |
9 |
室屋 成 |
ハノーファー |
117 |
1D |
(内訳)
R |
選手 |
出場 点 |
B点 |
L点 |
C点 |
1 |
冨安健洋 |
103 |
1 |
50 |
90 |
2 |
菅原由勢 |
87 |
3 |
40 |
60 |
3 |
吉田 麻也 |
83 |
5 |
50 |
40 |
4 |
伊藤洋輝 |
66 |
2 |
50 |
40 |
5 |
中山雄太 |
94 |
5 |
40 |
10 |
6 |
植田直道 |
97 |
0 |
10 |
25 |
7 |
橋岡大樹 |
88 |
1 |
30 |
10 |
8 |
板倉 滉 |
96 |
4 |
10 |
15 |
9 |
室屋 成 |
80 |
4 |
10 |
20 |
MF
- 市場価値ランキングは鎌田22、遠藤航10、中島3.5、奥川3.2、原口3.0、三好3.0、橋本2.5、森岡2.2の順
- 実績では鎌田、遠藤航、奥川、原口、森岡
- 原口元気はウニオン・ベルリンのクラブランキングアップ(前年末81位⇒今季末54位)に伴い市場価値も0.5M€アップ
- ビーレフェルトの奥川雅也は、チーム低迷にも拘らず、MF陣で最多の6得点、市場価値0.7M€アップと高評価
- 森岡亮太はMF陣で最多の8アシスト+4得点でMF陣ボーナス点1位
- 田中碧は移籍後初のシーズンでかなり苦労している。日本代表での実績とは裏腹にドイツでは未だボーナス点ゼロ。チームはブンデスリーガ2部で低迷。そのため市場価値も0.2M€ダウンの1.5M€。後半の活躍を期待
R |
選手 |
所属クラブ |
合計 |
MV |
1 |
鎌田大地 |
フランクフルト |
227 |
22D |
2 |
遠藤 航 |
シュトゥットガルト |
198 |
10E |
3 |
奥川雅也 |
ビーレフェルト |
196 |
3.2U |
4 |
原口元気 |
ウニオン・ベルリン |
194 |
3U |
5 |
森岡亮太 |
シャルルロワ |
186 |
2.2 |
6 |
長谷部誠 |
フランクフルト |
169 |
0.8 |
7 |
藤本寛也 |
ジル・ヴィセンテ |
162 |
0.7 |
8 |
守田英正 |
サンタ・クララ |
160 |
3 |
9 |
柴崎 岳 |
レガネス |
158 |
1 |
10 |
橋本拳人 |
ロストフ |
156 |
2.5 |
11 |
三好康児 |
アントワープ |
135 |
3U |
12 |
川辺 駿 |
グラスホッパー |
124 |
1.3 |
13 |
田中 碧 |
デュッセルドルフ |
104 |
1.5D |
14 |
中島翔哉 |
ポルティモネンセ |
81 |
3.5 |
15 |
香川真司 |
PAOK |
70 |
1.2D |
(内訳)
R |
選手 |
出場 点 |
B点 |
L点 |
C点 |
1 |
鎌田大地 |
83 |
7 |
50 |
80 |
2 |
遠藤 航 |
100 |
4 |
50 |
40 |
3 |
奥川雅也 |
83 |
14 |
50 |
35 |
4 |
原口元気 |
75 |
4 |
50 |
60 |
5 |
森岡亮太 |
98 |
16 |
30 |
25 |
6 |
長谷部誠 |
49 |
0 |
50 |
70 |
7 |
藤本寛也 |
83 |
6 |
40 |
25 |
8 |
守田英正 |
94 |
3 |
40 |
20 |
9 |
柴崎 岳 |
95 |
4 |
10 |
45 |
10 |
橋本拳人 |
81 |
6 |
40 |
25 |
11 |
三好康児 |
63 |
6 |
30 |
30 |
12 |
川辺 駿 |
82 |
11 |
10 |
10 |
13 |
田中 碧 |
64 |
0 |
10 |
30 |
14 |
中島翔哉 |
2 |
6 |
40 |
25 |
15 |
香川真司 |
5 |
0 |
25 |
40 |
FW
- 市場価値ランキングは南野12、久保10、伊東8、堂安6.5、鈴木優3の順。21-22前半の実績で上位に名を連ねているが、伊東を除いて何となく物足りない
- 古橋亨梧はボーナス点(16得点、5アシスト)で、2位の伊東純也(3得点、10アシスト)に倍以上の差をつけて断トツの1位。12月31日発表の市場価値は予想通り倍増(2.75倍)の5.5M€
- 堂安律はシーズン当初先発から外れたが、その後レギュラーの座を奪取し期待通りの活躍
- 南野拓実はクラブ世界ランキング2位のリヴァプールなのでリーグ戦出場時間はわずか40分。それでも実力がある証拠にカップ戦では3試合4得点で好調
- 久保建英はケガの影響か、ボーナス点わずか4点、市場価値との乖離は否めない
- 三笘薫は移籍直後の出場機会が少なかったため出場点を稼げずにFW陣7位に甘んじている。それでもボーナス点15点はFW陣のなかで3位タイ。10月後半から定位置を確保。通期ではランキング・市場価値のアップ間違いなし
R |
選手 |
所属クラブ |
合計 |
MV |
1 |
古橋亨梧 |
セルティック |
228 |
2 |
2 |
伊東純也 |
KRCヘンク |
190 |
8 |
3 |
堂安 律 |
PSV |
190 |
6.5D |
4 |
南野拓実 |
リヴァプール |
186 |
12E |
5 |
久保建英 |
マヨルカ |
157 |
10 |
6 |
浅野拓磨 |
ボーフム |
151 |
2.5D |
7 |
三笘 薫 |
サンジロワーズ |
146 |
1.8 |
8 |
中村敬斗 |
LASK |
127 |
0.8U |
9 |
オナイウ阿道 |
トゥールーズ |
122 |
1.5U |
10 |
遠藤渓太 |
ウニオン・ベルリン |
112 |
1D |
11 |
鈴木優磨 |
シント・トロイデン |
110 |
3D |
12 |
原 大智 |
シント・トロイデン |
101 |
1D |
13 |
林 大地 |
シント・トロイデン |
99 |
0.8U |
14 |
食野亮太郎 |
エストリル |
74 |
0.45 |
15 |
北川航也 |
ラピッド・ウィーン |
72 |
0.5D |
16 |
岡崎慎司 |
カルタヘナ |
67 |
0.8D |
17 |
鈴木武蔵 |
ベールスホット |
66 |
0.9D |
(内訳)
R |
選手 |
出場 点 |
B点 |
L点 |
C点 |
1 |
古橋亨梧 |
79 |
37 |
25 |
50 |
2 |
伊東純也 |
98 |
16 |
30 |
30 |
3 |
堂安 律 |
57 |
12 |
40 |
70 |
4 |
南野拓実 |
8 |
11 |
50 |
100 |
5 |
久保建英 |
63 |
4 |
50 |
35 |
6 |
浅野拓磨 |
68 |
1 |
50 |
30 |
7 |
三笘 薫 |
61 |
15 |
30 |
25 |
8 |
中村敬斗 |
40 |
15 |
30 |
30 |
9 |
オナイウ阿道 |
72 |
15 |
10 |
10 |
10 |
遠藤渓太 |
2 |
0 |
50 |
60 |
11 |
鈴木優磨 |
57 |
4 |
30 |
10 |
12 |
原 大智 |
61 |
|
30 |
10 |
13 |
林 大地 |
49 |
5 |
30 |
10 |
14 |
食野亮太郎 |
4 |
2 |
40 |
25 |
15 |
北川航也 |
14 |
2 |
25 |
30 |
16 |
岡崎慎司 |
46 |
3 |
10 |
5 |
17 |
鈴木武蔵 |
36 |
0 |
30 |
5 |
21-22前半シーズンベストイレブンは?
システムは3-4-3。ポジションを配慮しながら上位の選手を可能な限り選出。特に堂安と伊東が同じポジションで迷ったが、全欧州組で最多出場時間に加え、FW陣でボーナス点2位の伊東を選出。
- GK シュミット・ダニエル
- DF 冨安健洋、吉田 麻也、伊藤洋輝(次点:菅原由勢)
- MF 遠藤 航、原口元気、鎌田大地、奥川雅也(次点:森岡亮太)
- FW 伊東純也、古橋亨梧、南野拓実(次点:堂安 律)
なお、日本代表23名を実績ベースで選出したら次のようになりました。
まとめ
リーグが異なるのでサッカー選手の実績を公平にランキングするのは難しいが、リーグとクラブのレベルの差は選手の市場価値におおむね比例するので、それらも考慮した実績(実力と言ってもよい)ランキングを基にベストイレブン選出。
半年前に紹介した20-21シーズン欧州組実績ランキングは下記の通りですが、赤の太字の選手は21-22前半でも上位にランクイン。2/3の選手は安定した実績を残している。
- GK:川島
- DF:冨安、酒井、菅原、吉田、板倉
- MF:鎌田、遠藤、守田、奥川、原口、森岡
- FW:伊東、浅野、堂安、鈴木優磨、南野
21-22前半で大活躍した伊藤洋輝と古橋亨梧には更なる活躍を期待。もちろん、全海外組を応援していますが、特に、田中碧と三苫薫の後半に注目したい。
独自の視点でのベストイレブンでしたが、いかがでしたか?日本代表召集予想などの参考にして頂ければ幸いです。