(2019年1月22日掲載:2020年5月19日リライト)
はじめに
フランス在住の弟がアルプス三大名峰の一つ、モンブラン遊覧飛行に誘ってくれた。車でムジェーヴ(Megeve)という小さな村に向かう。
シャモニー近くで遊覧飛行ができるのはここだけのようだ。この遊覧飛行は一生の思い出に残る体験になるだろう。「頭の片隅だけでなく記録としても残そう」、そんな思いで書きました。
セスナ機に乗っている姿を想像してこの旅行記を楽しんで頂けたらと思い、リライトしましたので一緒に体験しましょう。
ムジェーヴの村
8~10人乗りの小型飛行機を観光以外の目的で利用したことはあるが、4人乗りの超小型飛行機で遊覧飛行するのは初めて。ワクワクしながらもハラハラ気分でムジェーヴへ向かう。
ムジェーヴは、
- シャモニーから直線距離で西へ約20km
- ジュネーヴからは直線距離で南東へ55km
- 人口 3,300人
- 平均標高:1,113m
- 1910年代にロスチャイルド家が冬の休暇の際に訪れたことが契機となってスキー場として発展、今やヨーロッパ有数の高級スキーリゾート地
- 夏はゴルフが盛ん
- 飛行場は村の中心から南東へ5kmで標高1,472m
モンブラン遊覧飛行 by aerocime
aerocime社の概要
1960年代に設立。遊覧飛行よりもむしろ飛行訓練が主たる業務。氷河の上に着陸する訓練もあるそうだ。相当の技術ですね。これなら心配なさそう。
サイトはこちら!
Circuits – Aerocime – Altiport of Megève
aerocimeの遊覧飛行パンフレット
遊覧飛行料金(2020年5月時点)
40分の遊覧飛行の場合
- 大人1名 160€
- 12歳以下 80€
- 大人3名 435€
- 大人2名+子供2名 435€
(2016年9月時点の料金)
遊覧飛行のルート
- 遊覧飛行時間 40分
- 赤丸の地点が飛行場
- ページ左半分の一番上の山がモンブラン
- このマップのルートを時計回りに飛行
超小型機(Jodel D140C Mousquetaire III)4人乗り
これと同型のF-BNIIに搭乗
モンブラン遊覧飛行体験
モンブラン山系に有名な氷河があることは知っているが、予備知識はゼロに等しい。飛行中にパイロットの説明がある。ただ、ジェット機の音で聴こえづらい。しかも、絶景また絶景の連続。撮影に夢中になる。
そんな状況なので飛行中はどこを飛んでいるのかさっぱり見当がつかなかったが、写真と飛行ルートから分かった範囲でコメントを付けてこの体験をシェアしたい。
遊覧飛行のホスト役:弟夫婦
かなりベテランのように見える、親しみやすそうなパイロット。
朝の11時。いよいよ離陸。この飛行場の滑走路はわずか600mで途中から下る滑走路。因みに、私はパイロットの右の副操縦席?に座る。
右に旋回 してシャモニー渓谷の北側を飛行するようだ。
シャモニー渓谷の北西側には雪がほとんど積もっていない(飛行ルートマップの右半分)、一方、南東のモンブラン側は針峰の山が林立。かなりの雪で覆われている。
レ・ズッシュ(Les Houches)あたり。流れるのはアルヴ川。ジュネーブでローヌ川に合流し地中海へ注ぐ。
ボソン氷河 (シャモニーに一番近いが、氷河が溶け過ぎて観光客がめっきり減ってしまった)
エギーユ・デュ・ミディ(Aiguille du Midi)標高 3777mの頂上には展望台がある 。
写真中央の白い山がモンブランで標高4,810m。フランス語でモンは山、ブランは白と言う意味。
シャモニーの街を通り過ぎようとしている
モンブラン(写真左の山)
右側がモンブランと間違えられる ドーム・デユ・グーテ(Dome du Gouter)で標高 4304m。
メール・ド・グラース氷河(Mer de Glace)
長さ7km、深さ200m。赤いモンタンヴェール鉄道で登ると氷河と氷の洞窟を見学できる。
メール・ド・グラース氷河は「氷の海」と言う意味。
グラシエ・ダルジャンティエール氷河(Glacier d' Argentière)
氷河は急勾配のところで割れ目を作るらしい。この氷河の起点付近(写真上)はスイス。
エギーユ・デュ・ヴェルト針峰(Aiguille Verte)標高 4122m。尚、最高で上空3000mを飛行。
エギーユ・デュ・グレポン(Aiguille des Grepon) 標高 3482m
Aiguille de l'M 標高 2844m
パイロットはわざと岩壁に向かって飛行する。結構なスピードで飛行している。スリル満点だがハラハラ・ドキドキの連続。
ハイカーで賑わうブラン湖だろう。
エギーユ・デュ・プラン 標高 3673m
ボソン氷河(Glacier des Bossons)
レ・ズッシュ(Les Houches)の街に戻ってきました。
着陸態勢に入る為、副操縦士の私がオートブレーキ選択スイッチをオン(そんなことないか?)。
もうすぐ着陸! 着陸時は登りになる。
着陸寸前 ちょっと怖い!
モンブラン山系の絶景が次から次へ目に飛び込んでくるアッという間の40分間。最後は、助手席から翼に降りそれから地面に飛び降りる。
お別れの記念写真
ヘリコプターでの遊覧飛行もあるようだ。
車以外でのアクセス
シャモニーからの場合
- 電車+バスの場合は乗継や待ち時間があるので2時間くらいかかる
- シャモニー・モンブラン駅 ⇒ Saint Gervais - Le Fayet(TER18918)
- Saint Gervais - Le Fayet ⇒ Sallanches駅(TER 884168)
- Sallanches駅 ⇒ ムジェーヴ(Ouibusバス)
- ムジェーヴ ⇒ 飛行場(タクシー)5km
ジュネーヴからの場合
- Ouibusバスで2時間くらい
- ムジェーヴ ⇒ 飛行場(タクシー)5km
おわりに
超小型機(Jodel D140C Mousquetaire III)に乗るのは初めて。あとで調べて分かったことだが、この飛行機はフランスのSAN社が製造している4人乗りの山岳飛行向けの超小型機。
まさにモンブラン山系の遊覧飛行にピッタリの飛行機。モングラン山系の4000m前後の針峰と氷河が織りなす雄大かつ壮大な大自然のパノラマが眼前に広がる遊覧飛行であった。
いかがでしたか?モンブラン山系の遊覧飛行、スリルと絶景を楽しんでいただけたなら嬉しい限りです。
皆さん、シャモニーを訪れた際は、一生の思い出作りに遊覧飛行を体験するのはいかがでしょうか?