FIFA女子ワールドランキング:5年間の推移、なでしこジャパンは?

はじめに

(2021年10月17日掲載:2023年4月12日更新)FIFA女子ワールドランキングは女子サッカー代表チームの実力度を示す指標の一つであるが、男子ランキングよりも重みがある。例えば、

  • Top10の変動はほとんどない(ただ、ここ5年間固定していたが、21年スペインが初のTop10入り)
  • オリンピックそしてワールドカップで優勝するのは常にTop10チーム、さらに、ベスト8進出チームはほとんどTop10チームに限る。
  • 男子のFIFAランキングと異なりかなり絶対的な実力を示す指標であり、Top10でないチームがTop10チームに勝利することはほとんどない

2023年女子W杯でベスト8以上の成績を残すにはTop10入りは最低条件。そこで、FIFA女子ランキングの計算方法や過去5年間のTop10チーム及びなでしこジャパンのFIFA女子ワールドランキング推移をフォローしたい。

なお、本記事はFIFA女子ワールドランキング発表(原則として3月、6月、9月、12月の年4回)の都度更新しますので今後ともよろしくお願いします。

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上位国のFIFA女子ランキング推移

  • 過去5年間でTop10から降格したのはアジアの2強、オーストラリアと日本。但し、最新発表ではオーストラリアがTop10復帰
  • ドイツは一時5位まで後退、だがUEFA欧州女子選手権2位などで定位置2位に復帰
  • イングランドは一時8位まで後退、UEFA欧州女子選手権優勝などで4位に浮上
  • 前回W杯以後の強豪国(Top10)対戦で4勝4分4敗のスペインが2021年12月に初のTop10入り。内紛により主力選手代表出場拒否後2軍で臨んでも7位に浮上。

(最新:2023年3月24日発表)

(過去5年:左から順に2017年12月~2023年3月)

(北朝鮮は4年国際試合がないのでランキングから外された)

 

なでしこジャパンのランキング現在地 

最新女子ワールドランキングでは、なでしこジャパンは2021年12月時点よりの2ランクアップの11位。前監督就任時(2016年4月)の年度末の7位から4ランク後退

後退の理由のひとつとして、なでしこジャパンメンバーと欧米の選手の実力差が拡大した点は否定しないが、それよりも弱体化の理由は戦術の変化(具体的にはなでしこジャパンの強みであった粘り強い守備や献身性不足)とみている。

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日本はTop10入りを目指しているが、ランキングポイントが稼げない。6月欧州遠征2戦2勝、7月E-1選手権優勝、10月国内親善試合2勝の6勝1分だが、格下相手なので獲得ポイントはわずか7.49pts(1試合当たり1.07pts)。

ようやく11月に強豪国イングランドとスペインと対戦したが2連敗で5.9ポイント失った。なでしこジャパンにとって2023年女子W杯グループリーグ突破を確実にするにはTop8入りが条件。

ただ、2023年2月米国主催のSheBelieves Cupで1勝2敗とは言え、東京五輪優勝のカナダに圧勝。アメリカ・ブラジル3戦でも内容はなでしこジャパンが上。W杯優勝候補の一角に食い込んだとみる。

W杯前最後の強化試合欧州遠征ではポルトガル戦勝、デンマーク戦敗でSheBelieves Cupほどのパーフォーマンスでなかった。W杯優勝への期待は薄らいでしまったが、強豪国も決してよくないのでW杯優勝争いはますます混沌としてきた。

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FIFAランキングの問題点

多くの問題点が指摘されているが、2つの問題点を紹介。

問題点1

オーストラリアは2021年6月時点の9位から東京五輪後は11位に後退。しかし、東京五輪でベスト4、これまでの最高成績にも拘らずである。

理由は簡単、準々決勝戦、イギリス(イングランド+スコットランド+ウェールズ+北アイルランドの4つの協会)を延長4-3で破ったが、イギリスはFIFAランキング対象外。従って、ランキングポイントのゲインはほとんどなかった。

そのため東京五輪で最終的に16ポイント以上落として11位に後退。実質的な順位としては10位が妥当なところでしょう。

問題点2

コロナの影響を考慮して2021年初めにランキング対象外の条件を緩和。従来は過去18カ月国際試合がない国は自動的にFIFAワールドランキング外となったが、その条件を4年間に延ばした。

そのため過去3年以上国際試合を放棄している北朝鮮が昨年12月まで10位にランキングされていた。この条件は元に戻すべきである。

 

おわりに

個人的見解であるが、前監督は2011年ワールドカップ優勝時のチーム戦術を否定したが、池田太新監督は「奪う」をキーワードに使ってなでしこジャパン本来のチームスピリットや献身的なプレーを期待しているが、もっと発揮してほしい。

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東京五輪後の強豪国との対戦はわずか21試合中6試合。強化にならない。強豪国に勝ってこそ女子サッカー(WEリーグ)の人気回復につながる。

日本女子サッカー人気の回復にはWEリーグのレベルアップが必須。その為には欧米の一流プレーヤーのWEリーグ参加が絶対的条件。彼女らの背中を押すには金銭面は勿論のことWEリーグが世界のトップレベルあること。

因みに、WEリーグと世界の女子サッカーリーグの違いについてはこちらをどうぞ!

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欧米の一流プレーヤーに「WEリーグは魅力的」と思われるには、なでしこジャパンが2023年末までに世界ランキング5位に入ること。その為にも2023年女子ワールドカップでベスト4以上の成績を期待する。

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皆さん、WEリーグの発展となでしこジャパンの飛躍を期待しましょう!

 

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