はじめに
(2023年8月26日更新)FIFA女子ワールドランキングは女子サッカー代表チームの実力度を示す指標の一つであるが、男子ランキングよりも実力を反映する指標である。何故なら、W杯・五輪などの大会成績上位チームはTop10が独占しているからである。特に、
- ベスト8~決勝戦進出チームはTop10チームに限る
- Top10外のチームがTop10チームに勝利することはない
ところが、日本とコロンビアは2023W杯グループ・リーグでTop10チームに勝利。その結果、ベスト8に輝いた。これを例外と捉えるのは間違いでしょう。
今大会で明らかになったのは、アメリカの低迷と中南米・アフリカ勢の躍進、勢力図に変化が起きたのである。
ただ、2023W杯優勝は6月発表ランキング6位のスペイン。優勝となるとやはりTop10に限られた。この点は当面変わりそうもない。
そこで、過去5年間のFIFA女子ランキングTop10チーム及びなでしこジャパンのランキングを把握してパリ五輪の参考にして頂ければ幸いです。
なお、本記事はFIFA女子ワールドランキング発表(原則として3月、6月、9月、12月の年4回)の都度更新しますので今後ともよろしくお願いします。
また、こちらの最新記事もご覧いただければ幸いです。
- なでしこジャパン:パリ五輪に向けて新戦力の招集に期待
上位国のFIFA女子ランキング推移
- 過去5年間でTop10から降格したのはアジアの2強、オーストラリアと日本。但し、日本はW杯ベスト8を反映してランキング8位に浮上。一方、ベスト4のオーストラリアは10位から11位に後退。不思議ですね
- ドイツはグループ・リーグ敗退で2位から6位に急落
- イングランドは準優勝したにも拘らず4位のまま。一方、4位のスウェーデンが2ランクアップして初のランキング首位。これも不思議ですね
- 優勝したスペインは6位から2位にアップ。グラフを見ればここ5年スペインの躍進ぶりがわかる
(最新:2023年8月25日発表)
(過去5年:左から順に2017年12月~2023年8月)
なでしこジャパンのランキング現在地
なでしこジャパンの最新女子ワールドランキングは、は2021年12月時点よりも5ランクアップして8位。その理由として、2023W杯での活躍が挙げられるが、なでしこジャパンのおよそ半数が欧米でプレーしていることがその背景にある。
なお、低迷していた理由として欧米との実力差拡大を否定しないが、それ以上にハードワーク放棄(具体的にはなでしこジャパンの強みであった粘り強い守備や献身性不足)とみていた。
池田ジャパンがこの点を重視したことで2023W杯ベスト8という本来あるべきポジションを取り戻した。
なでしこジャパンは2023W杯ベスト8で想定外の活躍をしたと捉えられているが、私は2023年2月には「なでしこジャパンは優勝候補の一角になる」と直感。
残念ながら準々決勝スウェーデン戦前半でハードワーク(積極的なプレスなど)を出し惜しみ、準決勝に勝ち進めなかったが、常にハードワークを続ければパリ五輪はW杯を超える活躍をするはずだ。
おわりに
個人的見解であるが、前監督は2011年ワールドカップ優勝時のチーム戦術を否定した。そのことがなでしこジャパン弱体化の最大の原因と思う。
しかし、池田太新監督は「奪う」といいうキーワードを掲げて、なでしこジャパン戦士に本来のチームスピリットや献身的なプレーを求めた。その結果、2023W杯はベスト8として実を結んだ。
なでしこジャパンが強豪国に勝ってこそ女子サッカーの人気回復につながるが、それにはWEリーグのレベルアップも必要。その為には欧米の一流プレーヤーのWEリーグ参加が絶対的条件。彼女らの背中を押すには金銭面は勿論のことWEリーグが世界のトップレベルのリーグであること。
因みに、WEリーグと世界の女子サッカーリーグの違いについてはこちらをどうぞ!
欧米の一流プレーヤーに「WEリーグは魅力的」と思われるには、なでしこジャパンが世界ランキング5位に入ること。その為には、現在のランキングからして2024年パリ五輪で決勝戦に進むことが条件となるでしょう。
皆さん、WEリーグの発展となでしこジャパンの飛躍を期待しましょう!
女子サッカー関連記事
▼ なでしこジャパン・海外組
- なでしこジャパン東京五輪敗因の真相を推察、なぜ弱体化したの?
- 海外でプレーする 現・元なでしこサッカー代表メンバーに注目しよう!
▼リーグ・クラブ世界ランキング
- リーグランキング
- クラブランキング