(2019年1月26日掲載:2020年5月14日リライト)
はじめに
「エア旅行」、最近知りました。期間限定で「るるぶ」などの旅行情報をネット上で無料公開しているが、新型コロナウイルスの影響で、旅行に行けない今、ネットで国内外の旅行を楽しむことを指すようだ。
同様の趣旨で2019年1月に掲載したドライブ旅行記をリライトして皆さんに紹介したい。眼前に広がる紺碧の海を望みながらリヴィエラ海岸沿いをドライブするのは想像しただけでもさわやかな気分になる。あれこれ想像して「エア旅行」楽しんで頂ければ幸いです。
今回は、ニースやカンヌ等のメジャーな南仏の有名リゾート地ではなく、南仏 コートダジュール(紺碧と言う意味)の中でも小さなリゾート地、3つの港町を紹介します。
3つの港町とは、
- 「プロヴァンスのヴェニス」 と称される人工の町、ポール・グリモー
- ブリジット・バルドーが別荘を持ったことで小さな漁村から高級リゾート地へと変貌したサン・トロペ
- 石灰岩の断崖絶壁に囲まれた美しい入江の町、カシ
なお、400年前、サン・トロペに止むを得ず寄港した侍がいました。歴史好きの方ならきっとお分かりでしょう。
- 南仏リヴィエラ海岸沿いのドライブ
- 運河に囲まれた人工の港町 ポール・グリモー Port Grimaud
- ある侍が寄港したサン・トロペ Saint-Tropez
- 断崖絶壁に囲まれた南仏の景勝地 カシ Cassis
- 【参考情報】車以外でのアクセス
南仏リヴィエラ海岸沿いのドライブ
ポール・グリモーからカシまでは、高速道路A8号線を使えばほぼ半分の時間で着く。しかし、紺碧の海を望みながらリヴィエラ海岸沿いのコースをゆっくり走ることをおすすめする。
- 走行距離 135km
- 走行時間 2時間57分
運河に囲まれた人工の港町 ポール・グリモー Port Grimaud
運河は全長7km。航空写真(右下)を見れば人工の港とすぐ分かりますね!
1966年に建築家フランソワ・スポーリーにより人工的に造られた世界初の海洋リゾート地。
ポール・グリモーへの入口
車では町に入れないので、この入口の手前の広大な駐車場を利用。
ボートで運河を廻りながら街並みを観光
我々4人を含めて乗船客は10名くらい。40分くらいかけて運河を隈なく廻ってくれる。
パステルカラーの街並みが美しい。あちこちの家の前にマリーナボートが係留されている。マリンレジャー、いいなー!
運河から撮ったサン・フランソワ・ダシズ教会
サン・フランソワ・ダシズ教会(L'Église Saint Francois d'Assise)と村の中心であるマルシェ広場
この日の天気は気まぐれで午後7時過ぎたばかりなのにもう暗い。
ある侍が寄港したサン・トロペ Saint-Tropez
先ず、ポール・グリモーの隣町、ガッサンにチェックイン。その後、車で20分ほどのサン・トロペへ向かう。
(旧港の右側が町の中心)
ガッサンの宿泊先を探すのに時間を取られサン・トロペに着いたのは夜の9時を回っている。ちょっとだけしか見れない、残念!
さすがコート・ダジュールの高級リゾート地でけあって、ポール・グリモーよりも大きなボートが所狭しと係留されている。
旧港沿いのメーンストリート
カフェやレストラン、お土産屋などが軒を連ねている。かつてスターたちが頻繁に通ったカフェ、セネキエ Sénéquierはこの通りにある。
400年年前、この通りを歩きながら鼻をかんだかもしれない侍がいた。さてどこの藩の誰でしょう?
答えは支倉常長
ネットの記事から引用
1615年、伊達政宗が派遣した支倉常長一行による慶長遣欧使節は悪天候のためサン・トロペに寄港を余儀なくされ三日間滞在した。 一行の鼻をかんで捨てる、絹のような和紙の鼻紙が、現地の人たちの注目の的になり、捨てられる鼻紙を、みんなが 先を争って拾った。それが日仏交流の最初。
夜9時半だというのに音楽祭で観光客があふれている。
メーンストリートにあるレストランで食事したら夜の11時を回っている。タイムアップ! 支倉常長が歓待を受けたであろう、サン・トロペ湾と町並みが一望できる城砦(Citadel)の見学はギブアップ、残念!
宿泊したガッサン Gassin
ポール・グリモーとサン・トロペの間にあるのがこの小さな村は高台にあるのでポール・グリモーの街並みが一望できる。後で知ったがフランスの美しい村に認定されているとのこと。
撮影スキルもカメラも悪いのでこんな写真だが、光り輝いているのはAzur Parkという家族連れに人気の遊園地。写真左の金色の小さい明かりがポール・グリモー。
(宿泊した家のベランダから撮影)
断崖絶壁に囲まれた南仏の景勝地 カシ Cassis
カシはマルセイユ(Marseille)から東方面へ列車で30分の小さな海辺の町。港にはおびただしい数のクルーザーやボートが係留されている。
港に面した斜面には別荘が立ち並ぶ。もともとは珊瑚を採る港だったようたが、今はリヴィエラを代表する洗練されたリゾート地。
早速、遊覧船でカランク(入江)めぐりをしましょう!
3つのクルージングコースがあるが、1時間5分のコース(5つのカランク巡り)を選ぶ。
このボートがカランク巡りの遊覧船。2階建てで2階はオープンデッキ。1階の船首に席を確保。
石灰岩でできた断崖絶壁が延々と20kmほど続く。
最初のカランク
2番目のカランク
海水が透明なので有名。船の上から魚が泳いでいるのが見える。
高さ~400mほどの断崖絶壁が延々と続く。
ここの石灰岩は採掘しやすいので古代から地中海沿岸のアレキサンドリアなどの都市の波止場建設に使われたとの事。
(写真右)断崖絶壁に穴が開いているよ!
波の影響でそうは見えないが、海も空もコバルトブルー、気分最高!
遠くに見えるのがカシの港。神秘的なカランクと断崖絶壁に圧倒された1時間のクルージング。
【参考情報】車以外でのアクセス
ポール・グリモー
- カンヌから電車とバスを乗り継いで2時間半
- バス停はポール・グリモー入口手前2km
因みに車の場合、
- 高速道路A8号線を使えば1時間ちょっと
- 地中海沿岸を走っても2時間弱
サン・トロペ
- 隣町なのでポール・グリモーから路線バスで10分ほど
- おすすめは、ポール・グリモーからフェリーを利用。17分くらい
カシ
- マルセイユからM08線のバスで40分くらい
- 列車もあるが、途中でバスに乗り継がなければならないのでM08線のバスがおすすめ
おわりに
南仏 リヴィエラ海岸の3つの小さな港町の観光を紹介。
- 運河が走る人工の港町、ポール・グリモー
- 大型ヨットが連なる高級リゾート地、サン・トロペ
- カランク(入り江)で囲まれた風光明媚なカシ
紺碧の海岸を望みながらドライブするのは実に気持ちいい。眺めの素晴らしいところで車を止め、しばらく海や空に目をやる。そしてまた走り出す。そんなシーンを思い浮かべながら時を過ごす、素晴らしい「エア旅行」だ。
いかがでしたか? 少しでも気分転換のお役に立てたなら嬉しい限りです。