「ネイティブが中学英語を教えたら」間違いなく楽しくなる!(前編)

もしもネイティブが中学英語を教えたら」。このタイトルから想像したのは「ネイティブならこんなふうに教える」という教え方の提案かなと思った。私の想像力不足で恥ずかしい。

実際は「中学でこのように習った表現はネイティブならこう表現するよ」と、いろいろな表現を取り上げて解説する本である。例えば、shouldは「~すべき」というような強い義務を表す度合いは少なく、本来は「~するといい」くらいの柔らかな表現。

このようにネイティブの使い方とは異なる表現を

  • 間違えやすい中学英語
  • 中学英語ではこう習う

の2種類に分けて「ネイティブならこう表現する」を教えてくれる。その理由も分かりやすく説明してくれるので理解しやすい。ページをめくるのが楽しみな一冊である。

全部で64の言葉や表現について解説しているが、本記事では10の表現に絞ってその一部を紹介します。

本の紹介

 

  • もしもネイティブが中学英語を教えたら
  • デイビッド・セイン著
  • 139ページ
  • 練習問題をスキップすれば、一通り読むのに1時間ほど
  • 中古本なら数百円

各ページの右半分は練習問題と解答の解説。定番フレーズを覚えるのは必要なことだが、そこで使われる言葉の本来の意味を知ることで理解度が深まり自信を持って実践で使えるようになる。英会話力のアップを願っている方全員におすすめの一冊。

 

 

間違えやすい中学英語

 

1.some とany

 

Do you want any coffee? ×

コーヒー入りますか?

Do you want some coffee? 〇

コーヒーはいかが?

 

ポイント

「疑問文や否定文の場合、some ではなく any を使う」と習ったが、人に何かをすすめるとき、ネイティブは相手が Yes と答えるのを期待して someを使う。 

練習

some か any を使って文を完成させましょう。

何かお探しでしょうか?(いらっしゃいませ)

Do you need (   )help?

どういたしました?(手伝いが必要ですか?)

Do you need (   )help? 

解答

Do you need any help? は、店員が接客に使うフレーズ。any を使っているので「用があれば」というニュアンスになる。

Do you need some help?は、困っている人に声をかけるときの決まり文句Yes の返事を期待して some を使う

 

2.接続詞 and

 

I don’t eat cake and ice cream.

私はケーキもアイスも食べません。×

私はケーキアイスを一緒に食べません(別々に食べる)。〇

 

ポイント

not A and B は「AもBも~ない」でなく「AとBを同時に~ない」 

例文

I don’t have a pen and pencil.

ペンと鉛筆の両方は持ち合わせていません。ただ、片方なら持っていますということ。

  

3.接続詞 or

 

Don’t eat or read.

食事か読書のどちらかをしてはいけない。×

食事読書、してはいけない。〇

 

ポイント

not A or B は「どちらか一方をしてはいけない」ではなく「AもBも~ない」 

練習

日本語に合うよう、(   )内から接続詞を選びましょう。

私の兄は野球もバスケットボールもやらない。

My brother doesn’t play baseball (and/or/but) basketball.

彼女はチョコレートとナッツを一緒に食べません。

She doesn’t eat chocolate (and/or/but) nuts. 

解答

My brother doesn’t play baseball or basketball.

She doesn’t eat chocolate and nuts.

  

4.前置詞 in

 

I’ll be back to Japan in a month.

一カ月以内に日本に戻ります。×

一カ月後に日本に戻ります。〇

 

ポイント

所要時間を表す場合の in は、「今から~のあとに」「~がたって」と経過を表すのでごく短い時間に対して使う

例えば、in a few days(数日後に)や in a minute(すぐに)など。

「一カ月以内」と間違いなく伝えたい場合は、withinを使ってwithin a month とする。 

 

5.助動詞 couldとbe able to

 

I could climb Mt. Fuji at the age of ten. ×

私は10歳の時、富士山に登ることができたかもしれない。

I was able to climb Mt. Fuji at the age of ten. 〇

私は10歳の時、富士山に登ることができた。

 

ポイント

canの過去形はcouldではない。「~できた」の意味でcanの過去形として couldを使うのはごく「まれ」。過去に一度だけ可能だった経験を表す場合、couldではなく was able to を使う(否定文の場合はcouldn’tでもOK)。過去に「(継続的に)~する能力があった」という意味の場合にみ could=was able toとなる。 

練習

適切な方を選びましょう。

私は昨日、早く帰ることができた。

I (could / was able to)go home early yesterday.

私は5歳でバイオリンが弾けた(弾く才能があった)。

I (could / was able to)play the violin at the age of five. 

解答

順に was able to、couldでもwas able toでもよい。

 

 

中学英語ではこう習う

 

1.副詞 veryとreally

 

I’m very hungry. △

私は非常におなかがへっています。

I’m really hungry. 〇

私はとてもおなかがへっている

 

ポイント

客観的な very、主観的な really。veryは客観的な語のため、自分の感想などの主観的な感情を表す際に使うと、冷静過ぎてやや不自然な英語に聞こえる。考えや感想を述べる際にreallyを使えば、「本当に」「すごく」という気持ちのこもった表現になる。 

練習

今日はとても暑い。

It’s (very/really) cold today.

とても素晴らしい。

It’s (very/really) awesome.

そのレポートはとても詳しかった。

The report was (very/really) detailed. 

解答

上から順に really, really, very。

   

2.関係代名詞

 

This is the car which I bought. △

これは私が買った車です。

I bought this car. 〇

私がこの車を買いました。

 

ポイント

ネイティブは長い表現を嫌う。シンプルに表現するのが大好きなので関係代名詞はできるだけ使わないようにする。受動態も同様でできるかぎり能動態で簡潔に表現しましょう。 

例文

She’s a lawyer whom I know very well.

彼女は私がよくしっているところの弁護士です。

She’s a lawyer, and I know her really well.

彼女は弁護士で、私は彼女のことをとてもよくしっています。

  

3.副詞 well

 

She sings well.

彼女は(そこそこ)歌がうまい。△

She’s a great singer. 〇

彼女はすごく歌がうまい。

 

ポイント

ほめたつもりが「そこそこ」なイメージになる well。・・・is a great・・・で、定番表現の「~がうまい(人だ)」となる。goodも well と同じ。「そこそこ」のイメージなので great を使う。fine も「まあまあ」なので nice、great、beautifulといった「明確に良いと伝わる」言葉を使う。  

例文

彼はサッカーがうまい。

He is a great football player.

すごくいいアイデアだね。

That’s a great idea.

  

4.過去形と現在完了形

 

Did you have lunch?

ランチは食べた?(今日はお昼を食べた?) △

Have you had lunch (yet)? 〇

ランチは済んだ?(これから?)

 

ポイント

どちらも英語としてはOK。Have you had lunch (yet)? がお昼時に「ランチは済んだ?」と聞くニュアンスに対し、過去形を使ったDid you have lunch? は、例えば、夜になって「(今日)お昼食べた?」と、既に終わったことを確認しているイメージ

「まだ動作が完了していないか」を聞くなら現在完了形に。「動作が終わったか」を確認するなら過去形にしましょう。 

練習

次の日本語に合うよう、(   )内から適する語を選びましょう。

いい旅でしたか?

(Have you had / Did you have) a nice trip?

十分食べていますか?

(Have you had / Did you have) enough? 

解答

順にDid you have, Have you had。

  

5.疑問文 where

 

Where is my wallet? △

私の財布はどこ?(誰か盗った?)

Where did my wallet go? 〇

私の財布、どこへ行っちゃったのかしら?

 

ポイント

私物がどこにあるかを聞くとき where is・・・? は使わない。ネイティブはこの表現だと周囲の人を疑っているようにも聞こえるので避ける。こんな時に使うのが無生物を主語にして遠まわしに訊ねる表現。 

練習

私のパスポートはどこへ行ったの?

(              )

あなたのファイルはどこへ行ったの?

(              ) 

解答

Where did my passport go?

Where did your files go?

 

 

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おわりに

 

もしもネイティブが中学英語を教えたら」を読んでわかったのは、ネイティブに誤解されやすい表現がたくさんあること。

私たちはこの本を読まなくても「ネイティブが使う表現とちょっと違うことを習っている」と何となく感づいている。だから間違っていてもいいからどうどうと英会話する勇気が湧かないのかも知れない。

さらに、当たり前のことだが、話し手のちょっとした表現の違いで聞き手の受け取り方が大きく変わる。どのような表現をしたら、どのように受け取られるのか、そうした違いについてはほとんど習っていない。

英会話力をアップしたい方、今からでも遅くはありません。セイン先生の「もしもネイティブが中学英語を教えたら」を読めば、「そうだったのか」と思う表現がたくさん紹介されてる。

この本を読むだけでモヤモヤ感が吹き飛び、一気に「英語って楽しい」といった気分になり、次のステップへの大きな一歩となるでしょう。

いかがでしたか? 少しでもお役にたったなら幸いです。