【2021年度】Jリーガー実績評価を独自の視点でランキング

(2021年2月11日掲載:2021年12月11日更新)

はじめに

2021年度初版では主に日本代表選手(欧州勢主体)の実績をランキングしたが、欧州と日本ではサッカーシーズンが異なるので最終版ではシーズンが終わったばかりのJリーグ勢主体でリライトしました。欧州組勢はあくまで参考としてご覧ください。

選手の価値を表す指標には推定市場価値があるが、サッカー選手個人の実績を評価する指標は見当たらない

そこで、無鉄砲な手法ではあるが、主に2021年度に活躍したJリーガーのシーズン実績を独自の視点(ある意味、総合力)でランキング

具体的には、(所属リーグの世界ランキング)、所属クラブの世界ランキング、出場時間、得点などをベースに算出。ただ、FW、MF、DF、GKを同じ基準で評価するのは難しいのでポジション別に分けてランキング

本記事に納得できないと思われる方、沢山いらっしゃるでしょうが、アジア最終予選メンバー招集予想や選考評価の参考にして頂ければ幸いです。7月と1月に更新予定。

 

実績評価に使う4つの尺度

選手の実績評価をリーグ点、クラブ点、出場点、ボーナス点の合計点で決めました。活躍度ランキングとも言っていいが、多くの時間プレーするのも実力のうちとみなした。

リーグ点

J1の選手に限るので全選手とも同じ配点であるが、欧州組もリーグ前半戦の実績をベースに評価するので敢えて付け加えた。

高いリーグでプレーすると結果(得点など)を出すが難しい。低いリーグで活躍しても、たいてい、高いリーグでは結果を出せない。そのギャップを埋めるため、2021年8月1日時点のリーグ世界ランキングで選手にリーグにポイントを付与(リーグ点)。

  • 欧州4大リーグ所属    50点 イングランド、スペイン、イタリア、ドイツ
  • 欧州8大リーグ      40点 フランス、ポルトガル、オランダ、ロシア
  • ランキング9位~15位   30点 ベルギー、スコットランド、オーストリアなど
  • ランキング16位~25位 25点 ギリシャ、スコットランド、スイス、J1など
  • ランキング26位~35位 15点 サウジアラビア、日本など
  • ランキング36位~50位 10点 ドイツ・スペイン・フランスの2部、韓国など
  • ランキング50位~   5点 

クラブ点

リーグ点と同様、レベルの高いクラブでの出場時間減などを補う目的で2021年12月5日時点のクラブ世界ランキングで選手にクラブポイントを付与(クラブ点)。

所属クラブのランキングが、

  • 1~10位    100点  (欧州CL決勝Tへ進めるレベルのチーム)
  • 11~20位  90点 (欧州CL決勝or欧州EL決勝へ進める)
  • 21~30位  80点 (欧州EL決勝Tへ進める)
  • 31~45位     70点 (欧州カンファレンスリーグ決勝Tへ進める)
  • 46~60位     60点
  • 61~80位     50点
  • 81~100位      45点
  • 101~150位 40点
  • 151~200位 35点
  • 201~300位 30点
  • 301~450位    25点
  • 451~600位    20点
  • 601~900位 15点
  • 901~1500位  10点
  • 1501位以上 5点

欧州CL決勝トーナメントはランキング上位クラブがほぼ独占している。即ち、英・西・伊・独の欧州4大リーグや仏・露・葡・蘭の1部リーグに所属するクラブと他の国のクラブでは大きな差があるのでリーグ及びクラブランキングをより細分化しました。

尚、シーズン途中に移籍した場合は、移籍後のクラブ及びリーグランキングを適用。欧州からJリーグに戻った選手はJリーグでの実績のみ適用。

出場点 

いくらビッグクラブに所属していても試合に出られなければ意味がない。そこで直近のシーズンにおける試合出場実績を点数化(出場点)。

具体的には、リーグ戦出場時間(分子)をリーグ戦全試合の試合時間(分母)で割った値(%)を付与。最高点は100(リーグ戦全試合フル出場)。但し、ケガ・コロナ隔離、代表試合出場や移籍の影響などで欠場した場合はその時間を分母からを引く。

尚、リーグ戦以外の公式戦(カップ戦やCL・EL・ACLなど)に出場した時間は90分出場毎に1ポイント付与。従って、出場点が100を超える選手もいる。

また、外国籍Jリーガーについては、来日遅れなどで欠場したリーグ戦は分かる範囲で対象外(分母から引く)としました。

ボーナス点

全ての公式戦での得点アシスト点を対象。

  • 得点   +2点(2倍)
  • アシスト +1点
  • CS   +2点(GKのクリーンシート)

計算例:家長昭博選手のケース

  • リーグ点:15(全Jリーガー共通)
  • クラブ点:60(川崎フロンターレ世界51位)
  • 出場点 リーグ戦2599分÷(38試合x90分)=76点+1002分÷90=11点 計87点
  • ボーナス点:得点10x2+アシスト6=26
  • 合計点:15+60+87+26=188

 

ポジション別ランキング 

合計点リーグ点+クラブ点+出場点+ボーナス点ランキング。但し、ボーナス点はDFに不利になるのであくまでGK、DF、MF、FW別にランキング

参考までに欧州勢を掲載していますが、極力、Jリーグ勢とやや異なる部分は次の2点。

  • 出場点はあくまで現時点での出場実績。例えば、今シーズンのリーグ戦15試合のうち12試合にフル出場した場合は、80%出場なので80点付与。この出場率がシーズン終了まで続くと仮定
  • 欧州組のボーナス点(B点)は現時点での実績を年間ベースに換算。例えば、シーズン38試合のうち16試合消化時点で3得点2アシストしていれば、年換算では(3点x2倍+2アシスト)x38÷16=19、即ちボーナス点は19と仮定

項目説明

  • R:部門別ランキング
  • 太字は2021年度Jリーグベストイレブン

GK

  • リーグ戦38試合にフル出場した選手はランゲラックキム・ジンヒョン東口順昭パク・イルギュ権田修一の5名
  • GK部門で出場点1位はランゲラック 116点 公式戦出場時間 4,860分。これはJリーグ全体でも2位。2位 キム・ジンヒョン 4,590分(全体4位)、3位 チョン・ソンリョン 4,230分(全体7位)
  • 合計点1位はCP(クラブポイント)で稼いだチョン・ソンリョン
  • B(クリーンシート)で1位は断トツでランゲラックの31、これが2021年度Jリーグベストイレブン受賞の大きな理由でしょう。2位 チョン・ソンリョン西川周作高丘陽平の18
  • トップ15に韓国勢4名

左から 選手名 (クラブ ) 合計

  1. チョン・ソンリョン (川崎 ) 222
  2. ランゲラック (名古屋 ) 218
  3. キム・ジンヒョン (セ大阪 ) 182
  4. 東口順昭 (G大阪 ) 175
  5. 高丘陽平 (横浜FM ) 174
  6. 西川周作 (浦和 ) 167
  7. パク・イルギュ (鳥栖 ) 167
  8. シュミット (シント・トロイデン ) 164
  9. 沖  悠哉 (鹿島 ) 163
  10. 波多野豪 (FC東京 ) 157
  11. 村上昌謙 (福岡 ) 152
  12. 菅野孝憲 (札幌 ) 146
  13. キム・スンギュ (柏 ) 143
  14. 谷 晃生 (湘南 ) 142
  15. 権田修一 (清水 ) 137

 

DF

  • DF部門でリーグ戦38試合にフル出場した選手は酒井高徳のみ
  • 吉田 は全ての公式戦を対象にした出場時間で全体1位の4,946分、まさしく鉄人。2位 中谷進之介 4513分(全体5位)、3位 岩波拓也 4242分(全体6位)
  • DF部門Jリーガー勢1位~4位は川崎フロンターレ勢が独占ただ、2021年度Jリーグベストイレブンに輝いたのは、山根視来、ジェジエウ、谷口彰悟。ケガで開幕から7連続欠場した登里享平だけ対象外
  • 山根視来は、B点(得点x2+アシストx1でも2得点14アシストの18ポイントで断トツ1位。2位 原輝綺 6得点2アシストの14ポイント、3位 小池龍太E・サロモンソン 12ポイントDF部門Jリーガー勢1位~4位は川崎フロンターレ勢が独占ただ、2021年度Jリーグベストイレブンに輝いたのは、山根視来、ジェジエウ、谷口彰悟。ケガで開幕から7連続欠場した登里享平だけ対象外
  • 山根視来は、B点(得点2+アシスト14でも18ポイントで断トツ1位。2位 原輝綺 6得点2アシストの14ポイント、3位 小池龍太E・サロモンソン 12ポイント

左から 選手名 (クラブ ) 合計

  1. 冨安健洋 (アーセナル ) 230
  2. 山根視来 (川崎 ) 199
  3. 菅原由勢 (AZアルクマール ) 185
  4. 吉田 麻也 (サンプドリア ) 183
  5. 登里享平 (川崎 ) 170
  6. ジェジエウ (川崎 ) 169
  7. 谷口彰悟 (川崎 ) 169
  8. 吉田 豊 (名古屋 ) 164
  9. 町田浩樹 (鹿島 ) 156
  10. A.ショルツ (浦和 ) 155
  11. 中谷進之介 (名古屋 ) 154
  12. 岩波拓也 (浦和 ) 153
  13. 酒井高徳 (神戸 ) 153
  14. 菊池流帆 (神戸 ) 150
  15. 犬飼智也 (鹿島 ) 149
  16. 伊藤洋輝 (シュトゥットガルト ) 149
  17. 中山雄太 (PZCズヴォレ ) 145
  18. 松田  陸 (セ大阪 ) 143
  19. T・マルチンス (横浜FM ) 143
  20. 森重真人 (FC東京 ) 141
  21. 小池龍太 (横浜FM ) 140
  22. 田中駿汰 (札幌 ) 140
  23. 畑中慎之介 (横浜FM ) 139
  24. 丸橋祐介 (セ大阪 ) 139
  25. 小川諒也 (FC東京 ) 138
  26. 酒井宏樹 (浦和 ) 138
  27. 原 輝綺 (清水 ) 138
  28. エドゥアルド (鳥栖 ) 135
  29. 長友佑都 (FC東京 ) 135
  30. 荒木隼人 (広島 ) 134

 

MF

  • MF部門で出場点1位は稲垣祥で114点(4818分)全体3位。2位 奥埜博亮 3,755分、3位駒井善成 3,704分
  • MF部門Jリーガー勢Top3は、旗手怜央稲垣 祥脇坂泰斗。いずれも2021年度Jリーグベストイレブン受賞
  • ベストイレブンのイニエスタ選手は本記事ではランク外となってしまったが、最大の理由はケガなどの欠場による出場時間の少なさ、リーグ戦だけをとっても50%以下の1,608分
  • B点1位は、34点(13得点8アシスト)で荒木遼太郎だが、FWとしてプレーした時の点が多い。2位 稲垣祥  27点(12得点、3アシスト)、3位 脇坂泰斗 26点(6得点、14アシスト)

左から 選手名 (クラブ ) 合計

  1. 鎌田大地 (フランクフルト ) 219
  2. 原口元気 (ウニオン・ベルリン ) 201
  3. 遠藤 航 (シュトゥットガルト ) 195
  4. 森岡亮太 (シャルルロワ ) 191
  5. 旗手怜央 (川崎 ) 187
  6. 奥川雅也 (ビーレフェルト ) 186
  7. 稲垣 祥 (名古屋 ) 181
  8. 脇坂泰斗 (川崎 ) 177
  9. 藤本寛也 (ジル・ヴィセンテ ) 169
  10. 坂元達裕 (セ大阪 ) 161
  11. 山口 蛍 (神戸 ) 160
  12. 守田英正 (サンタ・クララ ) 160
  13. 橋本拳人 (ロストフ ) 157
  14. 荒木遼太郎 (鹿島 ) 151
  15. 樋口雄太 (鳥栖 ) 148
  16. 柴崎 岳 (レガネス ) 148
  17. 江坂 任 (浦和 ) 146
  18. 橘田健人 (川崎 ) 146
  19. 清武弘嗣 (セ大阪 ) 145
  20. 邦本宜裕 (全北現代 ) 145
  21. ジョアン・シミッチ (川崎 ) 144
  22. 明本考浩 (浦和 ) 144
  23. D・ピトゥカ (鹿島 ) 142
  24. 駒井善成 (札幌 ) 141
  25. M・ジュニオール (横浜FM ) 140
  26. 奥埜博亮 (セ大阪 ) 138
  27. 中島翔哉 (ポルティモネンセ ) 133
  28. 関根貴大 (浦和 ) 133
  29. 安部柊斗 (FC東京 ) 133
  30. 川辺 駿 (グラスホッパー ) 133

 

FW

  • FW部門で公式戦に出場した時間の多い選手の1位はマテウスの4,042分、2位 金子拓郎 3,886分、3位は何と35歳 家長昭博 3,601分
  • FW部門Jリーグ勢Top3 ダミアン・家長昭博・前田大然が2021年度ベストイレブン賞を受賞
  • B点1位はレアンドロ・ダミアンで他の選手を圧倒 72ポイント獲得(31得点、10アシスト)。リーグ戦23ゴールでJリーグ得点王を分け合った前田大然は49点(23得点、3アシスト)、3位がパトリックで48点(23得点、2アシスト)、上田綺世も頑張って39点で全体4位。
  • 20-21年度欧州勢B点1位は浅野拓磨の52点、2位が伊東純也の40点であったが、Jリーグ勢も全く引けを取らない。因みに、21-22年度欧州勢で突っ走るのが古橋亨梧。16試合消化時点で27点。残り試合は22試合。ケガがなければ64点のペース

左から 選手名 (クラブ ) 合計

  1. 古橋亨梧 (セルティック ) 230
  2. L・ダミアン (川崎 ) 224
  3. 堂安 律 (PSV ) 196
  4. 家長昭博 (川崎 ) 188
  5. 伊東純也 (KRCヘンク ) 188
  6. 南野拓実 (リヴァプール ) 183
  7. 前田大然 (横浜FM ) 182
  8. マテウス (名古屋 ) 171
  9. 久保建英 (マヨルカ ) 162
  10. 浅野拓磨 (ボーフム ) 152
  11. パトリック (G大阪 ) 152
  12. D・オリヴェイラ (FC東京 ) 151
  13. チアゴ・サンタナ (清水 ) 151
  14. エウベル (横浜FM ) 151
  15. 上田綺世 (鹿島 ) 150
  16. 金子拓郎 (札幌 ) 148
  17. 武藤嘉紀 (神戸 ) 148
  18. マルシーニョ (川崎 ) 147
  19. 柿谷曜一朗 (名古屋 ) 147
  20. 土居聖真 (鹿島 ) 146
  21. レオ・セアラ (横浜FM ) 144
  22. K・ユンカー (浦和 ) 143
  23. 大迫勇也 (神戸 ) 142
  24. アダイウトン (FC東京 ) 136
  25. 宇佐美貴史 (G大阪 ) 132

 

おわりに

[rakuten:murakamiundouguten:10003426:detail]

250名以上の選手を調査したのでデータ収集にかなりの時間がかかった。しかし、本記事を書き終わって最も嬉しかった点は、2021年度ベストイレブン受賞者がイニエスタ選手を除いて全て評価ランキングJリーグ勢上位に名を連ねていたこと。

  • ランゲラックは本記事GK部門ランキング2位
  • 山根視来ジェジエウ谷口彰悟はDF部門でそれぞれ1位、3位、4位
  • 旗手怜央稲垣祥脇坂泰斗はMF部門で1位、2位、3位
  • ダミアン家長昭博前田大然はFW部門で1位、2位、3位

独自の視点で計算した実績評価ランキングであるが、同じ算出方法で来年も挑戦してみたい。なお、21-22年度欧州リーグ終了後の5月末から6月初旬に欧州組の21-22年度評価ランキングを作成しますのでよろしくお願いします。

 

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