はじめに
ポン・デュ・ガールに近いルムーランに民泊した翌朝、朝食をいただく。おかみさんと会話が始まる。
「今日はどちらを廻りますか?」。「アヴィニョンを観光してからリュベロン大地を横断します」。「アヴィニョン教皇庁の近くの道路が工事中で渋滞しますよ」。「どこかおすすめのスポットはありますか?」。「フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズはどうですか?」。
アヴィニョン観光を諦め、膨大な量の湧水が川となって流れるヴォークリューズ山地の麓にある景勝地、フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズに変更。
ただ、その後の予定は変えず、温暖な気候と豊かな自然に恵まれた南仏プロヴァンス地方の「フランスの美しい村」の一つ、ルシヨン。最後に、ヴァランソル高原のラベンダー畑を鑑賞するが、この話は別記事で紹介。
それではリュベロン大地を横断する「エア旅行」を始めましょう。
- プロヴァンス地方のリュベロン大地 横断ルート
- 景勝地 フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズ Fontaine de Vaucluse
- 赤で統一された村 ルシヨン Roussillon
- 【参考】リュベロン観光手段
- 【参考】フランスの美しい村
プロヴァンス地方のリュベロン大地 横断ルート
プロヴァンス地方のリュベロン大地横断の旅は、起伏に富んだ大自然の中の村々をつなぐ県道を走るので対向車も追い抜く車もほとんどない。
- 走行距離 156km
- 走行時間 3時間14分
(ドライブルートマップ)
リュベロン大地の風景
(2016年に訪れた時、鷹の巣村ゴルド Gordesから撮影)
景勝地 フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズ Fontaine de Vaucluse
AirBnBで予約したルムーランの民泊先を発ち、アヴィニョンを通りフォンテーヌ・ド・ヴォークリューズ(平均標高80m)まで1時間30分。
町の入口にある案内板
村を流れるソルグ川の川底には水草が沢山生えている。そのため川の水は日差しを浴びてあざやかな緑色に染まっている。
源泉に近づくにつれて水の流れは早くなる。
「ヴォークリューズの泉」がこの村を流れる清流、ソルグ川の源泉。雨量が少ないので水源まで降りて見てるが、泉が湧いている感じは全くしない。ただ、石灰岩質の台地の中は多くの地下水路が存在しその水が湧水となって流れ出ているらしい。
源泉に行く途中のある15世紀の水車。昔は水車を使って紙を作っていた。資料館があり無料で見学ができる。
村の周りを囲む石灰岩の岩山とフィリップ・デ・カバソル城(Château de Philippe de Cabassolle。
赤で統一された村 ルシヨン Roussillon
フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズを発って1時間弱でルシヨンに着く。ルシヨンの村は丘の上(平均標高343m)で家々はオークルと言う黄土の顔料で塗られている。条例でそうしなければならないらしい。そのため街並みは赤色に統一されて実に美しい。
なお、ルシヨンは「フランスの美しい村」158箇所の内の1つ。
オークルの採掘場跡には散歩コースがある。確か30分と60分の2つの有料コース。森林の中にあるので日差しを避けながら気持ちよく散歩できる。でも起伏の激しいコースである。
散歩道入口の手前にある最大の採掘跡(ルシヨンの観光案内には必ず掲載される景観)
オークルの散歩道 (Le sentier des ocres)を1時間ほど歩く。
転んだら大変、朱く染まっちゃうよ。気を付けてね!
立っている地点からするとこのオークルの高さは20mくらい。
散歩後はリュベロン地域圏自然公園を通ってヴァランソル高原に向かう。
途中の並木道(南仏ではよく見かける木)
【参考】リュベロン観光手段
プロヴァンス地方・リュベロン地方へのアクセスはかなり悪い
路線バスなどを利用する手もあるが1日2箇所観光するのがやっと。現実的には下記のオプションしかない。
- VELTRA社などが催行するツアーを利用
- レンタカーを利用
ただ、ツアーを利用する場合、1つで全部カバーはしているツアーはないので2回に分けて観光することになる。ツアーの出発点は主にアヴィニョンかエクス・アン・プロヴァンス。
ドライブなら1日で4箇所観光できる
ドライブする場合のルートマップを添付しましたが、ドライブに4時間かかるが、それでも観光時間は6時間くらい取れる。例えば、
- フォンテーヌ・ド・ヴォークリューズ 1.5時間
- ゴルド 1.5時間(ルシヨンに近い天空の村)
- ルシヨン 2時間
- ヴァランソル高原 1時間
【参考】フランスの美しい村
VELTRA社のサイトより引用
フランスの田舎の小さな村の歴史遺産の価値の向上や保護を目的とし、「人口が2000人以下」、都市化されていない地域」や「歴史的建造物、自然遺産を含む保護地区を最低2箇所以上保有」など、厳しい条件をクリアした村が「フランスの最も美しい村」として認定されています。2018年10月現在の登録数は158。
おわりに
フランス プロヴァンス地方のリュベロン大地を車で横断する旅。
おすすめの観光スポットのうち2つを紹介、
- 景勝地のフォンテーヌ・ド・ヴォークリューズ
- 天空の城・鷹巣の村のゴルド
- 村全体が朱色のルシヨン
- ラベンダーの鑑賞の最適のヴァランソル高原
- 断崖を背にしたムスティエ・サント・マリー
いずれの観光地も車で訪ねるのがベスト。特に、グループ旅行ならレンタカーで廻れば費用も抑えられるし時間も効率よく使える。2人以上での旅なら絶対に車がお得!
今回の「エア旅行」いかがでしたか? もし南仏を訪れる機会がありましたら、是非、実体験してみて下さい。