(2019年1月22日掲載:2020年5月24日リライト)
はじめに
今日(6月24日)の最後の観光スポットはヴァランソル高原。ラベンダー鑑賞で有名。見ごろは7月。それが一番気になる。事実、リュベロン大地を走るとラベンダー畑を散見するが、どれも紫のじゅうたんのイメージからは程遠い。ヴァランソル高原に近づくにつれ不安が増す。ちょっと早いかな? いや、ヴァランソル高原なら大丈夫。期待と不安が交錯する。
明日はエルバ(Elba)島を脱出したナポレオンが約千人の兵と共に進んだ山道、ナポレオン街道を北上しリヨンなどを観光してから家路に向かう。
それでは、ナポレオン街道の旅を楽しんで下さい。
ドライブ旅行のルート
(ヴァランソル高原 ⇒ マノスク ⇒ ガップ⇒ ラフレ―)
マノスクからD6号線のマノスク道路(Route de Manosque)を北に向かう。ヴァランソル村の手前5km、マノスクから16kmあたりが絶好のラベンダー観賞スポット。鑑賞後はマノスクに戻りAirAnBで予約した宿泊先で一泊。
マノスクからガップへはA51号線で北上するがガップの手前でN85号線に合流する。ここではガップからラフレ―までのナポレオン街道沿いが主な見学スポット。 ナポレオン街道の半分を走ることになる。
ヴァランソル高原でラベンダー鑑賞
マノスク道路(Route de Manosque)沿いにラベンダー畑を見つける。花はそこそこ咲いている。これなら期待できそう。間もなくすると、果てしなく広がるラベンダー畑が飛び込んでくる。
「ラベンダー、ラベンダー、ラベンダー!」 思わず叫びたくなる。
緩やかな丘陵地帯一面に紫色のじゅうたん敷かれている。曇り空だが、遠くの山の麓まで続いているのが分かる。ラベンダー畑の栽培面積はなんと12,700ヘクタールだそうだ(10km四方より大きい)。
空を見上げると雲行きが怪しくなってきた。
開花時期はその年の天候具合に左右されるが、鑑賞時期はおおむね6月下旬から8月初旬。ラベンダー祭りは毎年7月第3日曜にが開催される。
6月下旬なのでまた満開には至ってない。
当初の日程では5月28日に日本出発の予定、しかし、
- 弟がラベンダー開花カレンダー(毎年発行されるらしい)を確認
- 少しでも遅い方が良いとの判断で日本出発を2日延期
- さらに南仏旅行を全日程の最後に組み替え
こうしてラベンダー鑑賞を当初よりは5日間くらい遅くする。もし当初の予定でヴァランソル高原を訪れたらガッカリしていたかもしれない。
(有名なラベンダー農園の看板)
遅らせる判断が大正解となり、ヴァランソル高原のラベンダーは見事80%くらい開花している。
雨が降り出す。小雨。ヴァランソル村からの帰り道に同じ場所に寄る。遠方に見える農家の向こうはどうなっているかな? 農家まで散策。
ヴァランソル高原への到着が1時間遅かったらこんな暗い写真ばかりしか取れなかっただろう、超ラッキー!
畑の中に観光客がいるね!最初ここに着いた時、そういう輩が沢山いたよ。ラベンバー畑の中に入り込んでポーズをとる輩。中に入ってもよい畑もあるらしいが、分からなければ入るべからず!
ナポレオン街道を辿る
ナポレオン街道ルートマップ
- ナポレオンは1815年1月、幽閉されたエルバ島から脱出
- カンヌ近くのゴルフ・ジュアンに上陸
- そして1000人の部下を引き連れ6日間にわたる山越え谷越えの大移動
この大移動のルート、ゴルフ・ジュアン Golfe-Juan(標高4m)からグルノーブル Grenoble(標高223m)までの約320kmの道路をナポレオン街道という。最高標高はカステラーヌの1,200m。
因みに、Google Mapの計算では徒歩で67時間かかる。1日11.5時間歩いたとしたら6日でちょうど可能な距離。
シストロンあたりからナポレオン街道に入る。国道N85号線のガップ Gap(標高750m)からラフレー Raffrey(標高910m)間の景勝地を見よう。
アルプス山脈の麓を走るナポレオン街道
イメージ(Goodle Mapより)
マッターホルン(写真右上)に似ているが、これはエギュイユ・ド・セドゥラ Aiguille de Cédera。
グランド・テット・ド・ロビウ(標高2,790m)とソテ湖(Lac du Sautet)
右上にダムが見えるかな? このソテ湖は人造湖(標高765m)
ラフレー村手前のN85号線沿いある3つ湖の一つ、ラフレ―湖
ナポレオン街道で最も象徴的なラフレー村
ナポレオンを捕らえに来た王政軍とナポレオン軍が対峙した「出会いの草原」。この草原の大きさは意外なほど小さい。
「兵士諸君。私は君たちの皇帝だ。もし、きみたちの中に自分の皇帝を殺したいものが居るなら、逃げも隠れもしない」と言い放ったナポレオンに対して、兵士たちは「皇帝万歳!」と叫んだそうだ。
この奇跡の逆転劇で再度帝位についたナポレオンであったが、ワーテルロー会戦で敗北し彼の天下は100日しか続かなかった(100日天下)。
(出会いの草原に建つナポレオンの騎馬像、背後はラフレ―湖)
【参考情報】ヴァランソル高原へのアクセス
車なら
- マルセイユから車でA51とD6を通って1時間ちょっと。別ルートを使ってヴェルドン渓谷やムスティエ・サント・マリーへ寄るのもグッド
- アヴィニョンから車でリュヴェロン地方を横断して2時間前後。ルートとしては D900(ルシヨン観光可)か D973(ルールマラン観光可)
車以外なら期間限定のツアーがおすすめ
路線バスを乗り継いで行く方法もあるが現地についてからの足がない。
VELTRA社などが募集しているツアーのほうが確実
アヴィニョン発
エクス・アン・プロヴァンス発
おわりに
フランス プロヴァンス地方にあるラベンダー畑が一面に広がるヴァランソル高原とエルバ島を脱出したナポレオンが行軍したナポレオン街道沿いの観光スポットを紹介。
ヴァランソル高原のラベンダー観賞はいかがでしたか? ラベンダーにはリラックス効果があるようですが、「エア旅行」でもリラックスできましたか?
ラフレー村での対峙、ナポレオンはきっと死を覚悟したと思いますが、起伏の激しいナポレオン街道を旅しながらどんなことをお感じになりましたか?
機会がありましたら、是非、体験して下さい。