W杯アジア最終予選:森保ジャパンの先発メンバーが変わらない理由

アジア最終予選2試合消化。まさかのオマーン戦黒星と中国戦辛勝のスタート。識者やファンからメンバー・システム・戦術・采配など、森保監督の手腕を疑問視する声が噴出している。全く同感である。

何も変わらなければ否が応でも2022年カタールワールドカップ出場に不安が募ってしまうが、森保ジャパンの先発メンバーの変更は今後もなさそうだ。その理由を推察したので皆さんとその情報を共有したい。

なお、森保ジャパンW杯アジア最終予選についてはこちらの記事をご覧ください。

森保ジャパン先発メンバー固定化の始まりはいつから?

 

森保監督のメンバー選考のルーツは2年半前にさかのぼる。それは2019年1月のアジアカップ。ご存じの通りこの大会は森保ジャパン初の国際大会。そして準優勝。

ある意味、準優勝したことが成功体験となり、その後のアジア2次予選、そしてアジア最終予選も特別の事情がない限りアジアカップと同じ布陣で臨んでいる。具体的に検証してみましょう。

 

アジアカップとオマーン戦の先発メンバー比較

 

2019年1月28日アジアカップ準決勝 イラン戦 0-3

当大会において最多得点且つ無失点勝利。この時の先発メンバーは下記の通り。

  • DF 酒井 吉田 冨安 長友
  • MF 柴崎 遠藤 原口(1G) 南野 堂安
  • CF 大迫(2G)

 

2021年9月2日アジア最終予選 オマーン戦 0-1

  • GK 権田
  • DF 酒井 植田 吉田 長友
  • MF 柴崎 遠藤 原口 鎌田 伊藤
  • CF 大迫

 

オマーン戦先発メンバー = イラン戦先発メンバー

9月2日のオマーン戦先発メンバーと2年半前のイラン戦先発メンバーを比較すると変わっていたのは植田・南野・伊藤の3名。

もし下記のような特別の事情がなければオマーン戦に冨安と南野は先発していたはず。従って、イラン戦先発メンバーのうち9~10名はオマーン戦に先発していただろう。

  • 冨安 移籍に伴うメディカルチェックの為
  • 南野 ケガの為欠場
  • 堂安 体調不良

2019アジアカップで出場実績のない選手でその後スタメンを勝ちとったのは日本人選手市場価値1位の鎌田大地選手のみと言える即ち、鎌田選手くらい評価されないと先発メンバーに入るのはほぼ不可能に近い。

アジアカップの主力メンバーが(特別の事情がない限り)そのままアジア2次予選・最終予選の先発メンバーとなった。よって森保監督の「ラージグループ」構想はあくまで控えの選手を増やすのが主目的と言わざるを得ない。

 

森保ジャパン3大会での出場実績

 

  • 出場試合と出場時間
  • 太字がアジアカップでの主力メンバー

POS

選手名

2019

Asia Cup

W杯

2次予選

W杯

最終予選

GK

シュミット

1/90

   

権田

6/540

6/540

2/180

川島

 

2/180

 

     

CB

冨安

7/541

3/270

1/90

三浦

1/90

   

板倉

 

1/90

 

吉田

6/540

6/469

2/180

塩谷

5/206

   

谷口

 

1/16

 

昌子

 

2/180

 

中谷

 

3/206

 

植田

 

3/224

1/90

畠中

 

1/19

 

槙野

2/180

   

RB

酒井

6/523

5/373

1/90

室屋

2/107

2/58

1/90

松原

 

1/90

 

LB

山根

 

2/166

 

佐々木

1/90

2/84

1/2

小川

 

3/208

 

長友

6/540

5/450

2/178

安西

 

1/32

 

DM

遠藤

5/335

4/326

2/180

守田

 

4/246

 

橋本

 

4/191

 

山口

 

1/13

 

川辺

 

2/180

 

柴崎

6/540

2/180

2/180

青山

1/90

   

稲垣

 

1/26

 

田中

     

CM

鎌田

 

5/307

2/84

久保

 

4/124

2/110

南野

6/568

7/520

ケガ

RM

坂元

 

2/134

 

堂安

6/532

2/156

1/27

伊藤

5/116

5/360

2/139

浅野

 

5/246

 

LM

三苫

     

古橋

 

3/137

2/94

原口

7/510

5/244

2/86

3/93

   

CF

大迫

4/288

3/270

2/180

阿道

 

1/68

 

鈴木武蔵

 

2/16

 

武藤

4/236

   

北川

5/236

   

永井

 

3/167

 

 

森保監督が意味する「今のベストメンバー」

 

森保監督が時々口にする「今のベストメンバー」は、その時々で最も活躍している選手やコンディションの良い選手を指している訳ではない。

それには”信頼できる”というキーワードが隠されている。そして”信頼できる”かどうかは主にアジアカップでの出場実績を指す。従って、「信頼できる選手の中での今現在のベストメンバー」という意味合いだ。

 

アジアカップで先発メンバーが固定化

ご理解いただけたでしょうか? 森保ジャパンの「先発メンバー」は2019年アジアカップの実績で固定化したのだ。

前掲の「森保ジャパン3大会での出場実績」にリストアップしたのでご覧ください。

2019年アジアカップでの主力は権田、冨安、吉田、酒井、長友、遠藤、柴崎、南野、堂安、原口、大迫選手の11。他には、佐々木翔室屋成伊藤純也は引き続き日本代表メンバーに招集されている。

彼らアジアカップ出場14名が広義の「ベストメンバー」で、今でも全員が森保ジャパンの先発あるいは交代選手の中心を担っている。

 

アジアカップ以後のベストメンバー

  • 伊藤純也(ベルギーとアジア2次予選での活躍)
  • 鎌田大地(ブンデスリーガでの活躍)
  • 古橋亨梧(セルティックでの活躍)
  • 久保建英(東京五輪での活躍)

従って、現時点でのベストメンバーは17と考えてよい。

 

今後のベストメンバー候補

17名の「ベストメンバー」とGK2名を除けば、フィールドプレーヤー4名が今後のアジア最終予選で招集されたり招集されなかったりする選手となる。

候補選手をリストアップすると、

  • CB 板倉滉、中山 雄太、植田直通
  • DM 守田英正、田中碧
  • MF 三苫薫
  • CF オナイウ阿道、武藤嘉紀

冨安の事情で先発出場した植田を除けば、オマーン戦・中国戦での「ベストメンバー」17名以外の選手の出場は皆無だった。現時点では「ベストメンバー」外の選手が招集されたとしても、出場期間は極めて限定的だろう。

 

先発メンバーや戦術が変わらない理由

 

監督の性格+アジアカップ成功体験

勝点3をとるべきオマーン戦を落として早くも危機的な状況に直面しているが、先発メンバーや戦術の変更までしてこの局面を打開しようとするだろうか? 極めて慎重な監督の性格に加えてアジアカップの成功体験に取り憑かれているので変化は期待できない。

 

さらに戦術的オプションを持ち合わせていない

本来ならば、超格下相手のアジア2次予選で戦術的オプションを確立すべきだったが、いつもの戦術・メンバー・采配で戦った。目の前の勝利にこだわり過ぎて「プランB」を放棄したのだ。プランBがないので先発メンバーの変更もあり得ない。

 

現時点での予想先発メンバー

権田、冨安、吉田、酒井、長友、遠藤、柴崎、南野、堂安、鎌田、大迫選手。ただ、「今のベストメンバー」から選ぶので原口、久保、伊藤、古橋選手などMFの変更はあるでしょう。この15名が先発メンバー候補と断言できる。

 

メンバー交代

拮抗しているゲームでの戦術的メンバー交代は皆無だった。いわゆる、無策といわれる理由の一つであるが、戦術的オプションを持ち合わせないのでしかたない。これまでと同様、パーフォーマンスの落ちた選手の交代にとどまるだろう。

交代はあくまで先発出場以外の「ベストメンバー」優先。よって、板倉、中山、三苫、守田、田中、山根などの序列の低い選手は、特別な事情がない限り、結果を残すほどのプレー時間は与えられないだろう。

 

アジア最終予選:日本代表の日程・対戦成績・結果

 

ワールドカップ出場には勝点20が必須

www.ippo-san.com

 

おわりに

 

森保ジャパンの先発メンバーは今後とも変わらないと推察。そして今後の試合でも1試合990分のプレー時間(11名x90分)の97%は17名のベストメンバーが占め、彼ら以外の選手にはせいぜい3%(1試合30分)の出場時間が与えられればいいほうでしょう。

ワールドカップの切符を確実に手にするには、過去のデータからして勝点20が最低ライン。その為には、残り8試合を5勝2分1敗以上の成績で乗り切らなければならない。

従って、10月のサウジアラビア戦とオーストラリア戦が正念場となる。この2戦では最低限1勝1敗以上の成績が必須。ここで2連敗すれば残り6戦全勝が必須となり、いくらJFA田嶋会長が森保監督を擁護しても監督交代は避けられなくなる。

ただ、監督交代の可能性は低いので森保監督の現状維持路線でワールドカップの切符を手にすることができるか、大きな不安を抱えながらも見守るしかない。

それでも歴代最高の代表メンバーが揃っていると思うので、何とか7大会連続ワールドカップ出場を果すと信じている。

皆さんはどのようにお考えですか?

 

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