(2021年4月1日掲載:6月18日メンバー発表に伴い更新:7月3日メンバー追加)
はじめに
東京五輪開催まで残すところ1カ月。東京五輪なでしこジャパンメンバー18名が発表された。岩渕選手・長谷川選手・熊谷選手などが順当に選出されたが、鉄板メンバー15名のうち鮫島選手と小林選手が選外。
本記事は、昨年までの国際親善試合招集実績などをベースに東京五輪なでしこジャパンメンバー18名を予想し4月1日に掲載。その後、4月と6月の国際試合招集メンバーをみて多少変更しましたが、18名中16名的中。
これまでの記事内容を少し更新した上、「東京五輪代表メンバー決定」の見出しを追加しましたので予想と比較しながらご覧いただきたい。
東京五輪なでしこジャパンメンバー候補
招集・出場実績
- 2019年10月6日 2019年女子W杯後の最初の国際親善試合、カナダ戦(国①)
- 2019年12月14日・17日 E-1サッカー選手権、中国戦・韓国戦(国②)
- 2021年4月8日・11日 パラグアイ戦・パナマ戦出場時間(国③)
- 2021年6月10日・13日 ウクライナ戦・メキシコ戦招集メンバー(国④)
海外組
現在、海外でプレーする現・元なでしこ選手が10名以上いるが、ここ3年、熊谷選手以外の海外組の招集はない。ただ、東京五輪に関しては、なでしこリーグで昨年末までプレーしていた岩渕選手と長谷川選手はなでしこジャパンを牽引する主力選手なので召集間違いなし。
ドイツのレバークーゼンへ期限付き移籍している田中美南選手については「6月の国際親善試合に招集されれば東京五輪代表メンバー当確」と書いたが、今回召集されたので当確。欧州に移籍しているメンバーで最も活躍している選手なので当然でしょう。
米国NWSLでプレーする「宝田沙織選手や横山久美選手などの招集はないとみる」と書いたが、NWSLでDFとしてのプレー経験のある宝田選手は当確。
同じくNWSLでプレーする「籾木結花選手はこれまでの代表実績から判断して東京五輪代表メンバー当確だろう」と書いたが、6月の国際親善試合に招集されたので当確でしょう。ただ、NWSLではリーグ戦の出場実績がゼロなので活躍するのか疑問。
スペインの中堅クラブでレギュラーを掴みとった「田中陽子選手は左右のハーフでプレーしているが、余程活躍しないと声はかからない」と書いた。活躍はしているが予想通り招集されなかった。
国内組
トレーニングキャンプに多くの選手を初招集しているが、ここ数年間に限ればなでしこジャパンでレギュラーとなった選手はいない。2019FIFA女子W杯フランス大会メンバー以外の招集枠は3~5名とみる。
4月と6月の国際親善試合メンバー発表をみて気になった点がある。トレーニングキャンプにも召集されていなかったので「どうしたのかな?」と思っていたが、昨年の得点ランキング3位の小林里歌子選手が招集されていない。どんな事情があるのかな?
また、6月の国際親善試合に鮫島彩選手が招集されていない。宝田選手の目途が立ったのでお役御免?のようだ。
直近のなでしこジャパンメンバー招集実績
GK
選手名 |
所属 |
国① |
国② |
国③ |
国④ |
山下杏也加 |
神戸 |
90 |
180 |
90 |
90 |
スタンボー華 |
大宮 |
|
|
0 |
0 |
池田咲紀子 |
浦和 |
0 |
|
90 |
90 |
DF
選手名 |
所属 |
国① |
国② |
国③ |
国④ |
鮫島 彩 |
大宮 |
|
|
90 |
|
熊谷紗希 |
Lyon |
90 |
|
|
180 |
三宅史織 |
神戸 |
0 |
90 |
20 |
|
清水梨紗 |
日テレ |
90 |
90 |
180 |
180 |
南 萌華 |
浦和 |
90 |
180 |
90 |
90 |
宮川麻都 |
日テレ |
79 |
180 |
31 |
81 |
土光真代 |
日テレ |
0 |
|
|
7 |
高橋はな |
浦和 |
11 |
|
70 |
9 |
清家貴子 |
浦和 |
0 |
|
|
|
宝田沙織 |
Wash S |
0 |
|
180 |
83 |
MF
選手名 |
所属 |
国① |
国② |
国③ |
国④ |
中島依美 |
神戸 |
90 |
90 |
180 |
180 |
長谷川唯 |
ミラン |
84 |
54 |
90 |
148 |
三浦成美 |
日テレ |
42 |
180 |
80 |
76 |
杉田妃和 |
神戸 |
90 |
180 |
116 |
42 |
松原有沙 |
ノジマ |
0 |
90 |
|
|
塩越柚歩 |
浦和 |
|
|
|
92 |
水谷有希 |
浦和 |
|
|
0 |
|
林穂之香 |
AIK |
|
|
89 |
94 |
北村菜々美 |
日テレ |
|
|
145 |
90 |
木下桃香 |
日テレ |
|
|
35 |
32 |
FW
選手名 |
|
国① |
国② |
国③ |
国④ |
田中美南 |
神戸* |
11 |
102 |
35 |
88 |
菅澤優衣香 |
浦和 |
63 |
|
126 |
60 |
小林里歌子 |
日テレ |
6 |
81 |
|
|
籾木結花 |
Reign |
48 |
189 |
83 |
88 |
岩渕真奈 |
Aston |
79 |
57 |
125 |
147 |
遠藤 純 |
日テレ |
27 |
|
|
32 |
池尻茉由 |
仙台 |
|
128 |
|
|
浜田 遥 |
仙台 |
|
|
35 |
|
上野真実 |
広島 |
|
28 |
|
|
宮澤ひなた |
仙台 |
0 |
|
0 |
|
*レバークーゼンへ期限付き移籍(6月末まで)
15枠は鉄板メンバーだが数名が落選?
GK
実績よりも体格と将来性を考慮してスタンボー華選手は当確とみたが、ケガで出遅れたので難なく鉄板メンバーの山下選手と池田選手が当確。
DF
鉄板メンバーの清水選手・熊谷選手・南選手・宮川選手は当確。さらにNWSLでCBを経験している宝田選手も当確でしょう。宝田選手が当確なの残念ながら鉄板メンバーの鮫島選手は落選か?
MF
鉄板メンバーの中島選手・長谷川選手・三浦選手は当確。そしてスウェーデンで結果を残している林選手も当確。残り2名は6月の国際親善試合で結果を残した塩越選手・北村選手の可能性が高い。最年少の木下選手と守備意識の低い鉄板メンバーの杉田選手は落選か?
FW
鉄板メンバーの岩渕選手は当確。レバークーゼンでツートップの一角として9試合4得点の田中美南選手は強豪国相手に最も得点できる可能性のある選手なので当確。そしてメキシコ戦途中出場で1得点1アシストの鉄板メンバー遠藤選手も当確でしょう。
他には鉄板メンバーで籾木選手と菅澤選手がいる。籾木選手は得点力があるものの守備に難がある(それがNWSLリーグ戦で出場時間0の理由かも?)。
一方、菅澤選手は機動力こそないが積み上げた実績があるので普通なら選ばれるが私はそうしたくない。
2019フランス女子ワールドカップ4試合で3得点しか獲れなかったなでしこジャパンにはどのチームよりも機動力が必須。
守備力と機動力を発揮しなければ強豪国との対戦が多い東京五輪で勝ち上がることは難しい。その点を考慮すると小林選手を選択できないので代表では結果を残している籾木選手しかいない。
東京五輪なでしこジャパン予想メンバー
GK
- 山下杏也加
- 池田咲紀子
DF
- 熊谷紗希
- 清水梨紗
- 南 萌華
- 宮川麻都
- 宝田沙織
MF
- 中島依美
- 長谷川唯
- 三浦成美
- 林穂之香
- 塩越柚歩
- 北村菜々美
FW
- 田中美南
- 岩渕真奈
- 遠藤 純
- 籾木結花
FWの選手が多いが、中盤やDFでもプレーする選手がいるので問題ないだろう。
東京五輪なでしこジャパンメンバー22名
当初は規定通り18名の登録枠であったが6月30日登録枠が22名に拡大されたので追加された正式メンバーに*を付けました。なお、ベンチ入りメンバーは都度18名を選ぶことになる。
GK
- 山下杏也加(INAC神戸) W杯1回
- 池田咲紀子(浦和)W杯1回(出場0)
- 平尾知佳(新潟)*
DF
- 熊谷紗希(バイエルン・ミュンヘン)W杯3回、五輪2回目
- 清水梨紗(日テレ)W杯1回
- 南 萌華(浦和)W杯1回
- 宮川麻都(日テレ)W杯1回(出場0)
- 宝田沙織(ワシントン)W杯1回
- 北村菜々美(日テレ)
- 三宅史織(INAC神戸)*
MF
- 中島依美(INAC神戸)W杯1回
- 長谷川唯(ACミラン)W杯1回
- 三浦成美(日テレ) W杯1回
- 杉田妃和(INAC神戸)W杯1回
- 塩越柚歩(浦和)
- 遠藤 純(日テレ)W杯1回
- 林穂之香(AIK)*
- 木下桃香(日テレ)*
FW
- 田中美南(INAC神戸)
- 岩渕真奈(アーセナル)W杯3回、五輪2回目
- 籾木結花(レイン)W杯1回
- 菅澤優衣香(浦和)W杯2回
おわりに
私は東京五輪なでしこジャパンメンバーを守備力と機動力を重視して予想したが、ほぼ予想通りの選出となった。予想が外れたのは守備と機動力に欠ける菅澤選手と杉田選手の2名。やはり鮫島選手は落選してしまった。
2019年W杯と同様、強豪国の中で平均年齢の最も若いチームでしょう。ここ1年以上強豪国との対戦はないが、若さ・機動力・経験値・地の利(自国開催・猛暑)を活かしたチームワークでメダルを獲得してほしい。
(以下は2021年6月13日の内容)
東京五輪メダル獲得には、若い選手の躍動感あふれるプレーが必須。若いと言っても、18名中13名が2019女子ワールドカップフランス大会という大舞台でのプレーを経験している。若さと経験値が最大の強み。
なでしこジャパンの課題は守備力(強豪国相手の前半の失点)、強みは若さと機動力。この2つの視点で敢えて鉄板メンバー(鮫島選手・杉田選手・菅澤選手)を外して経験値の低い若手(高橋選手・塩越選手・北村選手)を東京五輪予想メンバーに加えた。
ただ、彼女らは強豪国との対戦が未経験なのでどの程度Top10レベルのチームに通用するかは未知数。
願わくは、アメリカ女子サッカー代表チームと決勝戦を戦う事。そして2021年9月に開幕する日本初の女子プロサッカーリーグ(WEリーグ)開幕に花を添えてほしい。
ガンバレ、”なでしこ”たち!