女子サッカーリーグランキング、世界最高峰のリーグは?

はじめに 

(2024年8月20日更新)男子サッカーの場合、リーグランキング情報を定期的に更新しているサイトがあります。リーグ世界ランキングは「サッカーリーグランキング:Jリーグは世界で何位?」で紹介しています。

一方、女子の場合、そもそもクラブレベルでの大陸間国際試合がほとんどありません。従って、クラブランキングの計算ができませんのでリーグランキングも存在しません。

ただ、2023女子ワールドカップ出場チームの現代表選手や過去4年間の欧州女子チャンピオンズリーグ実績などを参考にすることである程度女子サッカーリーグ世界ランキングを推定できます。

気になるのが世界最高峰のリーグはどこなのかそして、2021年9月に開幕したWEリーグは世界何位なのか 

パリ五輪などで代表選手の入れ替わりがありましたのでランキングをUpdate。今回はさらに拡大してランキング20位まで掲載。シーズン前後など年2~3回更新しますのでまた見に来て下さい。

なお、こちらの記事もご覧いただければ幸いです。

 

W杯出場チームの現代表選手

3回前までは欧州クラブは女子CLで準々決勝に進出した国別のクラブ数をベースにリーグレベルを推定。ただ、CLベスト8になるクラブは国内リーグで断トツに強いのでベスト8の顔ぶれは毎年ほとんど変わりませんでした。

リーグレベル推測のベストな方法をいろいろ試していますが、前回からW杯出場チーム(16強+ドイツ+カナダ+ブラジル)+FIFAランキング16位までの国で直近の試合に招集された現代表選手475名を対象としました。

結果的には、上位6リーグは変わりませんでしたが、7位~の順位に変化があります。

ランキング計算概要

選手レベル点(W杯レベル点とFIFAレベル点の平均値)

W杯レベル点ですが、W杯優勝の現スペイン代表選手(前々回はW杯出場選手を対象)には各1点。2位の現イングランド代表選手には0.95点。ベスト8の日本代表選手には0.75点・・・を付与。

同様にFIFAレベル点として、FIFAランキング1位の国(アメリカ)の現代表選手に1点、2位国の現代表選手に0.95点、・・・を付与。

例えば、長谷川選手の選手レベル点はWEリーグには入りませんが、平均値0.75点がイングランドリーグに入ります。このように選手レベル点は選手が所属するクラブの加盟リーグに付与

従って、現代表選手が一部のクラブに偏り過ぎない限り、選手レベル点が大きいほどリーグレベルは高い事になります

なお、カナダは国内にトップリーグを持っていませんのでリーグランキングから対象外。ただ、選手レベル点は所属クラブ加盟リーグに集計。

それ以外にリーグ内でのTop2クラブの突出度や過去4年間の欧州女子チャンピオンズリーグ成績やNWSLリーグ成績を反映してリーグランキングを作成。

 

主要リーグランキング

項目説明

  • 現代表選手 平均L点:現代表選手の合計レベル点を選手数で割った値
  • クラブ平均L点:現代表選手の合計レベル点をクラブ数で割った値
  • クラブ10点換算:平均L点が最も高いイングランド女子スーパーリーグを10点とした時の各リーグのクラブ平均L点
  • 上位2クラブリーグ突出度:現代表選手の上位2クラブのリーグ全体に占める率。低い方が良い。突出度が最も低いアメリカを10点とした時の各リーグの点数
  • CL換算:過去4年のリーグ加盟クラブのCL成績(1位-8点、・・・8位-1点)の最高点(フランスの25.25点)を10点とした時の各リーグの点数。

 

トップ6リーグ寸評

イングランド

イングランド女子スーパーリーグでプレーする世界からの現代表選手は89名、その選手レベル58.8点で他のリーグを圧倒。CL成績はフランスとスペインに劣るが、合計点26.0は図抜けている。

また、全12クラブのうちトップ2クラブが選手占有率(突出度)35%は、アメリカに次いで低い。これは代表選手がそれなりにリーグ内で分散していることを示す。

アメリカ

アメリカのクラブ平均選手レベル2.6点でイングランドの次に高いが、2021年から6クラブ増えているので以前よりはクラブのレベルが低下。それでも、サラリーキャップ制やドラフト制度で戦力均衡を図っているため、クラブ間格差(突出度26%)はかなり少ない。

なお、過去の欧州トップレベルのチーム(リヨンなど)とNWSL優勝チームの試合結果での得失点などをベースにCL最高成績であるフランスの75%(7.5点)をアメリカにCL相当点として付与。

スペイン

現代表選手は37人だが代表選手平均レベルは0.72点で突出している。ただ、78%の選手はバルセロナとRマドリード所属で代表クラスの選手は極度に偏在。

フランス

トップ2クラブの突出度が異常に高く、84%(21人)がリヨンとPSG所属。現代表選手の偏在が著しく高いリーグ。

ドイツ

現代表選手は36名で上位6リーグ中フランスに次いで低い。また、彼女らの平均レベルは0.52点でイタリアよりも0.9上だが、フランスよりも0.9低い。上位4リーグからやや離されている。

イタリア

現代表選手は50人でイングランド、アメリカに次いで多い。ただ、平均選手レベル0.43点で6大リーグで最も低い。そのためCL換算値も2.2でかなり低い。CLベスト8の常連となるチームは当面出そうもない。

Top5リーグの現代表選手占有率は60%。中堅以上の選手は5大リーグに集中している。イタリアなど6位以下のリーグでは中堅以下の現代表選手がプレーするリーグと言ってよい。

 

WEリーグは?

さて、前々回までは、WEリーグのレベルはイタリアに次ぎで7位でした。前回は10位に後退。そして今回は何と16位に後退。どうしてでしょうか? その最大の要因は現代表選手(清家・藤野・山下)の海外移籍ですね。

なお、世界女子サッカークラブランキングに関してはこちらの記事をご覧ください。

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また、市場価値をベースにした世界及び日本の女子サッカー選手、クラブ、リーグランキングはこちら!

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おわりに

26名の日本人女子サッカー選手が主な欧米のクラブで奮闘中。彼女たちの最新情報に関しては、こちらの記事をご覧ください。

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これからも海外へ移籍する選手が出てくると思います。移籍先のクラブだけでなくリーグのレベルを知ることで移籍先の判断が変わるかもしれませんね。

一方、WEリーグには世界レベルの外国籍選手の加入がありません。若手など有力選手の流出のみで流入ゼロが続けばWEリーグの空洞化は増々進むでしょう。

主要国の代表選手にWEリーグでプレーしてもらうには、WEリーグが世界5大女子リーグに成長するしかありません

そのためには、なでしこジャパンのFIFAランキングTop 5入り、及び、国際大会でのWEリーガーの活躍が不可欠。パリ五輪でファイナル進出のチャンスを逃したので、2027年W杯まで待つしかありませんね。

ガンバレなでしこジャパン! ガンバレWEリーガー!

 

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