(2019年8月25日掲載:2022年3月30日更新)
はじめに
FIFAワールドカップ2022カタール大会アジア最終予選は10試合中6試合を消化。我々の日本代表は4勝2敗でB組2位。2次予選では、8試合で46ゴールをあげたチームが最終予選では5試合でわずか5得点と想定外?の苦戦を強いられている。
本記事では、最終予選の見どころ・日程・メンバー・結果についてお伝えしますのでよろしくお願いします。
追記:7大会連続7度目のW杯出場、おめでとう!
なお、こちらの記事もご覧いただければ幸いです。
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W杯開幕直前のFIFAランキング1位の国のワールドカップ優勝は何回?
- FIFA W杯:1勝1分1敗ならグループ・リーグ突破の確率は意外と高い !?
- アジア最終予選の見どころ・日本代表メンバー予想
- 最終予選 日本代表の日程と試合結果
- FIFAワールドカップ2022カタール大会への進出条件
- アジア2次予選の見どころと試合結果
- アジア2次予選の結果は評価に値しない
(jfaサイトより)
アジア最終予選の見どころ・日本代表メンバー予想
見どころ
- 東京五輪世代の新規招集
- Jリーグ勢の招集
東京五輪世代の新規招集とは、従来からの日本代表である五輪世代(久保、堂安、板倉)を除いた新たな選手(田中碧、三笘薫、前田 大然、旗手怜央、上田 綺世、中山雄太など)の招集があるのか?
Jリーグ勢では2021年夏にJリーグに復帰の元欧州組(酒井宏樹、長友佑都、大迫勇也)を除いた選手(谷口彰悟、山根視来、稲垣祥、中谷進之介、小川 諒也など)の招集があるのか?
おそらく毎回数人の招集はあるだろうが、新規召集組の起用は、主力メンバーのケガなどの特別な事情がない限り、期待できそうもない。
その原点は、2019年のアジアカップにさかのぼる。当大会の主力メンバーがほぼ3年経過した現在でも、監督から絶大な信頼を得ているからである。そして最大の理由は監督の性格(ゼロリスク:リスクと足らない)。詳細はこちらの記事をご覧ください。
因みに、主観ですが日本代表を実力で選んだらこうなりました。
オーストラリア戦・ベトナム戦召集メンバー
キャプテンの吉田麻也や三笘薫が復帰。冨安健洋、古橋亨梧、大迫勇也らがケガのため招集外。長友佑都、南野拓実、柴崎 岳、原口元気、浅野拓磨ら常連組以外に東京五輪世代の上田綺世、林大地が招集された。
GK
- 権田修一(清水エスパルス)
- 川島永嗣(ストラスブール)
- シュミット・ダニエル(シント・トロイデン)
- 谷 晃生(湘南ベルマーレ) ケガ
DF
- 酒井宏樹(浦和)RB ケガ
- 冨安健洋(アーセナル)CB ケガ
- 中谷進之介(名古屋) 追加招集
- 室屋 成(ハノーファー)RB
- 吉田麻也(サンプドリア)CB
- 植田直通(ニーム)CB
- 板倉 滉(シャルケ)CB
- 長友佑都(FC東京)LB
- 中山雄太(ズヴォレ)LB
- 山根視来(川崎)
- 谷口彰悟(川崎)
- 佐々木翔(広島)
MF/FW
- 遠藤 航(シュツットガルト)DM
- 守田英正(サンタクララ)DM/CM
- 田中 碧(デュッセルドルフ)DM/CM
- 柴崎 岳(レガネス)CM
- 原口元気(ウニオン)AM/LW
- 鎌田大地(フランクフルト)AM
- 久保建英(マジョルカ)AM/RW
- 堂安 律(PSV)AM/RW
- 伊東純也(ヘンク)RW
- 浅野拓磨(ボーフム)RW
- 南野拓実(リヴァプール)LW/AM
- 三笘 薫(サン・ジロワーズ)LW
- 大迫勇也(神戸)CF ケガ
- 古橋亨梧(セルティック)LW/CF ケガ
- 前田大然(横浜Fマリノス)CF/LW ケガ
- 旗手怜央(セルティック)CM/LB
- 上田綺世(鹿島)FW
- 林 大地(シントトロイデン)FW
元も含めた欧州組の招集が多いですが、独自に選んだ21-22シーズン前半の欧州組ベストイレブンはこちらをどうぞ!
最終予選 日本代表の日程と試合結果
グループB
- 9月2日(木)日本 vs オマーン 0-1 敗 権田を除いてコンディッションの悪い選手ばかりの起用、Jリーグ軽視の選手選考、硬直的な采配など「負けるべくして負けた」試合
- 9月7日(火)中国 vs 日本 0-1 勝 久保初先発、無得点ながら今後は攻撃の核となるだろう。次節サウジアラビア戦とオーストラリア戦、2連勝に期待。連敗すれば解任か?
- 10月7日(木)サウジアラビア vs 日本 0-1敗 案の定、予想通りの先発メンバーとシステム(4-2-3-1)。選手交代も疲弊のためで戦術的なものではなかった。しかも再三ボールロスするなど疲れ切った柴崎のバックパスミスからの失点。監督の采配ミスで早くも2敗目
- 10月12日(火)日本 vs オーストラリア 2-1勝 4-3-3のフォーメーションをぶっつけ本番で採用、田中碧と守田英正の元フロンターレコンビ、田中の代表初出場初得点などで競り勝つ。これで森保一監督(53)の進退問題はひとまず”封印”でしょう
- 11月11日(木)ベトナム vs 日本 0-1勝。17分南野のクロスにゴールエリア手前まで猛スピードで走り込んだ伊藤が合わせてゴール。40分伊藤がドリブルで持ち込みDFをかわしてペナルティエリアに入った位置からのシュートが決まり2点目と思いきや不可解?なオフサイド判定で取り消し
- 11月17日(水)オマーン vs 日本 0-1勝 代表デビュー三笘薫の鮮烈アシストで伊東純也が決勝弾。三苫選手、人情家の監督を救いましたね。次からは先発起用でしょう
- 1月27日(木)日本 vs 中国 2-0 勝 吉田・冨安不在で懸念されたが、伊藤の1G1Aで勝利。ただ、相変わらずの決定力不足。これがサイジアラビア戦だったら大変なことになっていたかも?
- 2月1日(火)日本 vs サウジアラビア 2-0 勝 伊東純也の4戦連続ゴールなどでW杯出場に王手
- 3月24日(木)オーストラリア vs 日本 2-0 勝 三笘薫の2得点でW杯出場決定
- 3月29日(火)日本 vs ベトナム 1-1 。控えメンバー主体(久保、三苫、上田、中山、旗手など体で臨む。怒涛の攻めも吉田のゴールで同点止まり
チーム |
勝分敗 |
点差 |
勝点 |
日本 |
7-1-2 |
8 |
22 |
オーストラリア |
4-3-3 |
6 |
15 |
サウジアラビア |
7-2-1 |
6 |
23 |
中国 |
1-3-6 |
-10 |
6 |
オマーン |
4-2-4 |
1 |
14 |
ベトナム |
1-1-8 |
-11 |
4 |
FIFAワールドカップ2022カタール大会への進出条件
3次予選 (最終予選)では、2次予選を勝ち上がった12チームが6チームずつ2グループに分かれてホーム・アンド・アウェー方式で戦う。
- 各グループ1位と2位チーム、計4チームがワールドカップ出場権獲得
なお、各グループ3位のチームはプレーオフへ進むが、2つのプレーオフを勝ち抜かなければならない。
アジアプレーオフ
- 3次予選各グループ3位のチーム同士がホーム&アウェー方式で対戦一発勝負
- 勝者 (2戦合計) 1チームが大陸間プレーオフへ進む
大陸間プレーオフ
- 4チーム (アジア、オセアニア、北中米カリブ海、南米)が2チームずつ2グループに分かれてホーム&アウェー方式で対戦中立地で一発勝負
- アジアのチームは南米のチームと対戦(アジア最終予選を勝ち抜くよりも高い壁になりそう)
- 各グループ勝者 (2戦合計) 2チームがワールドカップの出場権獲得
アジア2次予選の見どころと試合結果
見どころ
最大の見どころは、森保監督がどれだけ若手にチャンスを与え、それに対して若手がどう応えるか?これに関しては「おわりに」で詳しく紹介。
そしてもう一つの見どころは、日本以外のチームの活躍。我々にとっても目が離せない人物が2次予選に参戦する。
選手としてではなく監督・GMとして登場するのだ。
本田圭佑
ご存じの通りカンボジア代表GM。イラン、イラク、バーレーン、香港と同じグループCでジャイアントキリングを期待したい。
0勝-1分-7敗で2次予選敗退。
西野 朗
タイ代表監督。UAE、ベトナム、マレーシア、インドネシアと同じグループGで3次予選進出を狙う。元日本代表監督としての腕の見せ所である。1位通過は難しいとしてもG組2位で成績上位4チームに入れるか?
7試合終わって2勝-3分-2敗。2次予選突破ならず。
吉田達磨
柏・新潟・甲府で指揮を執ったがいずれも途中解任となった。今度はシンガポール代表監督としてD組の中東勢(サウジアラビア、パレスチナ、イエメン)やウズベキスタンと戦う。3回連続解任の汚名返上となるか?
2勝-1分-5敗で2次予選突破ならず。
試合結果
グループA
最終予選進出チーム
チーム |
試 |
勝分敗 |
得 |
失 |
差 |
点 |
中国 |
8 |
6-1-1 |
30 |
3 |
27 |
19 |
シリア |
8 |
7-0-1 |
22 |
7 |
15 |
21 |
グループB
最終予選進出チーム
チーム |
試 |
勝分敗 |
得 |
失 |
差 |
点 |
オーストラリア |
8 |
8-0-0 |
28 |
2 |
26 |
24 |
グループC
本田圭佑GMのカンボジア、残念ながらC組最下位で2次予選敗退
チーム |
試 |
勝分敗 |
得 |
失 |
差 |
点 |
イラン |
8 |
6-0-2 |
34 |
4 |
30 |
18 |
イラク |
8 |
5-2-1 |
14 |
4 |
10 |
17 |
バーレーン |
8 |
4-3-1 |
15 |
4 |
11 |
15 |
香港 |
8 |
1-2-5 |
4 |
13 |
-9 |
5 |
カンボジア |
8 |
0-1-7 |
2 |
44 |
-42 |
1 |
グループD
吉田達磨監督のシンガポール、D組4位で2次予選敗退
チーム |
試 |
勝分敗 |
得 |
失 |
差 |
点 |
サウジアラビア |
8 |
6-2-0 |
22 |
4 |
18 |
20 |
ウズベキスタン |
8 |
5-0-3 |
18 |
9 |
9 |
15 |
パレスチナ |
8 |
3-1-4 |
10 |
10 |
0 |
10 |
イエメン |
8 |
1-2-5 |
6 |
18 |
-12 |
5 |
シンガポール |
8 |
2-1-5 |
7 |
22 |
-15 |
7 |
グループE
最終予選進出チーム。カタールは開催国なので最終予選なし
チーム |
試 |
勝分敗 |
得 |
失 |
差 |
点 |
オマーン |
8 |
6-0-2 |
16 |
6 |
10 |
18 |
カタール |
8 |
7-1-0 |
18 |
1 |
17 |
19 |
グループF
日本8戦全勝で首位通過
チーム |
試 |
勝分敗 |
得 |
失 |
差 |
点 |
日本 |
8 |
8-0-0 |
46 |
2 |
44 |
24 |
キルギス |
8 |
3-1-4 |
19 |
12 |
7 |
10 |
タジキスタン |
8 |
4-1-3 |
14 |
12 |
2 |
13 |
ミャンマー |
8 |
2-0-6 |
6 |
35 |
-29 |
6 |
モンゴル |
8 |
2-0-6 |
3 |
27 |
-24 |
6 |
グループG
西野朗監督のタイ、G組4位で2次予選敗退
チーム |
試 |
勝分敗 |
得 |
失 |
差 |
点 |
アラブ首長国連邦 |
8 |
6-0-2 |
23 |
7 |
16 |
18 |
ベトナム |
8 |
5-2-1 |
13 |
5 |
8 |
17 |
タイ |
8 |
2-3-3 |
9 |
9 |
0 |
9 |
マレーシア |
8 |
4-0-4 |
10 |
12 |
-2 |
12 |
インドネシア |
8 |
0-1-7 |
5 |
27 |
-22 |
1 |
グループH
最終予選進出チーム
チーム |
試 |
勝分敗 |
得 |
失 |
差 |
点 |
韓国 |
6 |
5-1-0 |
22 |
1 |
21 |
16 |
レバノン |
6 |
3-1-2 |
11 |
8 |
3 |
10 |
アジア2次予選の結果は評価に値しない
JFAは「2022年ワールドカップで過去最高の成績の達成を目指す」、つまりベスト8が目標である。
2次予選の組み合わせ抽選に恵まれたので若手(五輪世代)やJリーグ勢を起用しても難なくグループF 1位通過できたのにそうはしなかった。つまり、彼らの成長と代表チーム活性化の絶好のチャンスを放棄してしまった。
セルジオ越後氏は、アジア2次予選の組み合わせ結果に関して、「弱小国ばかりのW杯2次予選…森保ジャパンのグループは”最悪”だ」と相変わらずの辛口コメント。理由はこうだ。
仮に5-0で勝ったとしても、レベルに明らかな差があれば、チームとしての収穫も少ないだろう・・・・・・・・なによりも選手のモチベーションを上げるのも難しいのではないかな。
ベストメンバーを組むのは最終予選からでよいはずなのに、2次予選1位通過決定後の2試合を除いて、固定メンバー(監督曰くベストメンバー)で臨んだため、Jリーグ勢や若手の招集はほとんどなかった。
「ワンチーム、ツーカテゴリー」と言いながら、実態は、ただのツーカテゴリー。2次予選で若手とJリーグ勢を4~5人だけでも起用していれば、チームの成長とモチベーションを保てたはずなのに残念でならない。
さらに、2次予選では弱小チームとの対戦にも拘らず、4-4-2以外の戦術オプションをほとんど試行しなかった。
固定メンバーでしかもワンパターンの戦術しか持たないチームでは、活力とモチベーションを保てないため、チームの成長はあり得ない。よって、圧勝した2次予選であったが評価できない。
むしろ新戦力の発掘や新戦術の試行ができなかった分、マイナス評価してもおかしくない。何故なら、それが最終予選で苦戦を強いられている根本的原因だからだ。
まとめ
2次予選(計40チーム)を勝ち上がった12チームがA組・B組に分かれて最終予選を戦っているが、過去の6回のワールドカップで出場回数の多い韓国、イラン、サウジアラビア、オーストラリアは各組上位2チームに入っている。
一方で、韓国と並び連続6回出場を誇る日本は4勝2敗でB組の2位。W杯無条件出場の「B組2位以上」の成績ですが、厳しい状況に変わりはない。個人としては日本代表の実力からしてW杯出場を確信している。その訳はこちらの記事をどうぞ!