はじめに
留学生のホームステイを受け入れ始めて十数年になる。その間、ホストファミリーとしてほぼ50人の留学生を受け入れてきた。
主な国は、フランス、スウェーデン、台湾、香港、中国、中東である。
ほとんどの留学生は夏休みを利用して来日するが、今現在、2人の留学生が我が家に泊まっている。
来日の目的は日本語の勉強だが、それ以外にも
- アニメで知った日本の国を見てみたい
- 仕事に疲れたのでリフレッシュするため
- 親から行けと言われた
などの理由でやってくる。
全部で10カ国以上から留学生を迎えてきたが、共通点や相違点がいくつかある。そうした特徴を紹介します。
- 日本語レベルの自己評価は「中級」、実際は?
- ヨーロッパから来る留学生は日本語会話に積極的
- 将来のために日本語を習おう、と考えている学生は少ない!
- アニメに関して超詳しい
- 日本語はどこで習ったの?
- 普通の青少年と違うところがある
- 親とのコミュニケーションを頻繁にする
- 中華系の留学生は活動的で手間がかからない
- シャワーしか浴びない
日本語レベルの自己評価は「中級」、実際は?
多くの学生、特にヨーロッパから来る留学生はプロフィールに「中級」と書いている。
日本人と同じように控えめに書いている学生もいるが、彼らはむしろ例外である。
よく聞く話だが、欧米人は少しでも外国語を話すことができれば、「話します」と答える人が多い。
一方、日本人は、相当話せる人でも「少しだけ」、「まあまあ」と答える傾向がある。
国民性なのかな?
プロフィール書いてある日本語レベルは当てにしないように!
ただ、日本語が少しでも上達してきたら褒めてあげよう!
ヨーロッパから来る留学生は日本語会話に積極的
ヨーロッパからの留学生は日本語で積極的に会話する。
ゆえに、覚えも早い。
日本語会話の上達のコツは、
- 日本人の友達(ガールフレンド、ボーイフレンド)を作る
- 文法は気にしない
の2点に集約されるかもしれない。
あるスウェーデンからの留学生は、日本に来たときはほとんど話せなかった。ところが、ガールフレンドを見つけてつきあうようになったらみるみる上達。2カ月もたたないうちに日常会話ができるまでに上達した。
只々、「すごい!」としか言いようがない。
ずっと昔の留学生時代の話だが、
とある国の留学生が先生に質問しているのを聞いて、「よくあんな間違った英語を使えるな、恥ずかしくないのかな?」と思ったことがあった。
間違った英語を話すのはよくない事、恥ずかしい事。いや、違う。
それは言い訳で勇気が足りなかっただけの事。
正しい日本語かどうかは気にするな!積極的に話させるようにしよう!
ただ、留学生の言っていることが理解できない時は放置しないでね!
将来のために日本語を習おう、と考えている学生は少ない!
日本が大好きであり日本語も好きだが、何故か、「将来の仕事に活かすため日本語を習う」、と考えている留学生は意外と少ない!
現地の日本企業や日本企業と取引のある会社に就職する上で大きなプラスとなると思うのだが、自分には理解しがたい点である。
「将来はどんな仕事をしたいの?」と訊くと、
「日本語を活かせる仕事をしたい」というような返答があってもよさそうなものだが、「良くわからない」と返事をする留学生がほとんどである。
彼らにとっては「今、何をしたいか」、それを実行することが最も大切なのかもしれない。「将来、何をするかは今の延長線上にあり、自ずから答えが見つかる」という考えなのでしょう。
「個人」に関わることは無理に聞こうとしないでね!
アニメに関して超詳しい
おおよそ半数の学生はとにかくアニメに詳しい。日本アニメの大ファンだ。
アニメを通して日本を知っただけあって、アニメのストーリーやキャラクターもきちんと説明できる。
今いる留学生の好きなアニメのトップ3は、
- 新世紀エヴァンゲリオン
- 攻殻機動隊
- ジョジョの奇妙な冒険
アニメは留学生とのコミュニケーションの良い話題となる!
日本語はどこで習ったの?
大学で日本語を学んだという学生もいるが、日本語を正式に学んだ事のない学生の方が圧倒的に多い。
では、どこで覚えたの?
答えはアニメ。3分の1の学生がアニメだ。
知らずに「オレ・・・」、「オマエ・・・」、「コイツ・・」などを発する学生もいた。
そんな時は、「それはアニメの世界でのこと。日常の会話で使ってはダメ・・」と伝えることにしている。
「アニメが好き」だから「日本語を自然に覚えられる」。決して必死になって日本語を習っている訳ではない。
我々が学校で英語を習った方法とはえらい違い。まさしく、「好きこそ物の上手なれ」の典型である。
日本語の間違いを正すのはある程度上達してからでいい!
普通の青少年と違うところがある
これには私の憶測も含まれるが、日本のアニメに興味を持つ青少年は海外ではめずらしい存在と思う。
私の目から見れば、彼らの住んでいる社会では「変人」である。ただ、日本のように「変人扱い」にはならない。むしろ、変わった趣味や周囲が知らないことを知っている点がリスペクトされる。
さらに、学校での集団生活になじめない学生には、学校に行かなくてもきちんと卒業できる制度がある国もある。
親としても「普通の青少年とは違う」点に気付いているので普通の青少年と同じ様な道を歩ませるよりも「本人のやりたい事・興味のあること」にチャレンジさせることを最重要視している。
「好きなことをやらせる」ことは決して「甘やかし」とは思っていないし、そうならないように親として普段のコミュニケーションを通してチェックしているようだ。
日本の文化やマナーは知らない前提でつきあいましょう。信頼関係が築けたら少しずつ教えましょう。ただ、無理強いはしないでね!
親とのコミュニケーションを頻繁にする
親の支援を受けているから当然ともいえるが、親もチェックの手段として子供とのコミュニケーションを留学許可の条件に入れているのかも知れない。とにかく、頻繁に会話したり、メールのやり取りをしている。
親とこんなに話すのかな?日本では考えられない。なかには、30歳になっても毎日のように親と話す学生もいた。
日本の家族の絆は大変強いと思っているが、どうも日本以上の国はたくさんあるようだ。
夜遅く電話することが多いので近所迷惑やうるさい場合は注意してね!
中華系の留学生は活動的で手間がかからない
台湾、香港、中国からの留学生は平日帰りが遅いし週末にはよく出かける。夕食は家で食べることが少ないのでかなり助かる。初めての受け入れならば中華系の学生が良いと思う。とにかく手がかからない。
シャワーしか浴びない
留学生全員に当てはまる特徴。
朝、夜、帰宅後(夏)、朝と夜(夏)の4パターンですね。朝に分類しますが、休日は出かける前にシャワーを浴びる留学生もいます。時間的には長い人、短い人、いろいろです。
まとめ
ホストファミリーの視点から見えた留学生の特徴は、
- 実際の日本語レベルは自己評価より低い
- ヨーロッパから来る留学生は日本語会話に積極的
- 将来のために日本語を習おう、と考えている学生は少ない
- アニメに関しては超詳しい
- アニメで日本語を覚えた
- 普通の青少年と違うところがある
- 親とのコミュニケーションを頻繁にする
ということで、留学生のホームステイ受け入れをお考えの方には少し参考になったでしょうか?
他にもシェアしたい点があります。ボチボチ書きますのでよろしく!