(2020年3月13日更新)
はじめに
留学生のホームステイを始めて十数年になる。その間、ほぼ50人の留学生を受け入れた。
ホストファミリーとして留学生の受け入れトラブルは大きな心配事である。これは留学生を受け入れたいと思っても躊躇してしまう理由の一つですね。
しかし、我が家では大きなトラブルを体験したことがない。
家庭によっては同じトラブルでも重大かどうかの基準が異なるでしょう。そこで、一体どんなトラブルがあったのか、体験談をご紹介します。
- 交換情報が不正確だとトラブルが起こりやすい
- 来日初日は迷子になる学生が多い
- 警察から電話、エッー、何ゴト?
- 家具を壊した。補償は?
- 突然、留学生が病気になった、どうしよう?
- トラブルがあったら真っ先に学校へ連絡する!
- ホストファミリー関連記事
交換情報が不正確だとトラブルが起こりやすい
ほとんどのトラブルは覚えている。ただ、大きなトラブルの記憶はない。一つ一つ思い出しながら書きますね!
交換情報って何のこと?
ホストファミリーになるには条件があり、募集元(学校)へ家族に関する情報や受け入れ条件などの資料(ホストファミリー・プロフィール)を提出する。その情報は留学生に送られる。
一方、留学生は自身が書いた好き嫌い・趣味・日本語レベルなどに関する留学生・プロフィールを学校に提出する。そのプロフィールは留学生の紹介時に学校からホストファミリーへ送られてくる。
この2つのプロフィールが交換情報。
トラブルになりやすいのは喫煙と家族構成
例えば、喫煙。
留学生のプロフィールに「喫煙します」、一方、ホストファミリーのプロフィールには「喫煙留学生受け入れ不可」と書いてあったらトラブルの原因になりますよね!逆のケースもあり得ます。
また、「子供は好きじゃない」という留学生もいる。
実例 プロフィールでは喫煙可なのに喫煙できない
とある喫煙家の留学生があるホストファミリーの家で生活を始めた。ホストファミリーのプロフィールには「喫煙可」と書いてあったようだ。
家の中では吸えないとのことでホストファミリーから指定された場所で喫煙することになった。何日か経って近所の住民から「ココで喫煙してはいけません」と言われた。
困った留学生は学校に相談してホストファミリーを変えることにした。新たなホームステイ先が我が家。
プロフィールは受け入れ条件も含めて正確に書きましょう!
来日初日は迷子になる学生が多い
成田から電車かバスで来る学生には要注意
留学生の多くは学校が有料で提供している出迎えサービス(ハイヤー)を利用しない。安心だが料金が高いから。そこで独力でホストファミリーの家へ行こうとする。
最近はほとんどいないが、過去には4~5人に1人の留学生が成田からの途中で迷ってしまっていた。迷子になる主な原因は、
- 乗換駅でホームを間違えた
- バスを途中下車した
我が家では成田からベストの交通手段を事前に伝えることにした。
実例 指定のバスが到着しても留学生が降りてこなかった
- 学校に聞いたり
- 駅員に聞いたり
- 私の家族に電話して留学生から連絡が入ったかどうか確認したり
でドタバタでした。連絡がつかなかったらどうしよう?時間の経過とともに不安が募る一方。
後で知ったが、一つ手前のバス停で降りてしまったことが原因。
親切な日本人が電車に乗せてくれたので2時間遅れだったが、何とか指定の場所近くでピックアップできた。
最寄り駅までの経路・出迎え時間・出迎え場所・緊急連絡先などを事前に伝えておきましょう!
登校初日の帰り道で迷う
- 電車の乗り換え時
- 最寄り駅から家までの経路
この間違いはよくあった。最近では、スマホを利用する学生が増えたのでこうした間違いは激減している。あまり心配する事でないが、我が家では2つの対策を取っている。
- 通学の経路図(Door to Door)や乗換案内情報の提供
- 登校日前日(たいていは日曜日)に経路図に従って学校まで案内
迷ったとしても連絡先と住所を伝えておけば大丈夫!
警察から電話、エッー、何ゴト?
私自身、国境を超える時以外はパスポートを携帯しないことが多いのでエラそうには言えない。
とある大柄の留学生が学校帰りに警察官5~6人に取り囲まれた。
パスポート不携帯だったため不審者扱い!
警察官から「連絡先はありますか?」と聞かれても日本語は不十分だし動揺しているので返答できない。ますます不審に思わた。
そのうち、母国語のできる警官が現れ母国語での会話となった。そして我が家の連絡先がスマホに記録されていることを思い出した。
電話が鳴った。家電(イエデン)にはめったに応答しない私だが、たまたま受話器を取った。
エッー、警察、(私が)何か悪い事でもしたのかな?
留学生がパスポート不携帯という事で身元確認をしただけだった。後で本人から聞いた話だが、異国の地で警察官に取り囲まれ「不安で泣きそうになった」そうだ。
パスポートは必携!
家具を壊した。補償は?
我が家には稀に巨漢の留学生が来る。ロシア・中東・韓国からの留学生に多い。
留学生の部屋掃除をしている時だった。ベッドが何となくおかしいことに気付いた。チェックしてみたらマットを支える横板が数枚割れていた。
これはたいへん、放っておいたらマットが床に落ちてしまう?
原因は明らかだったので留学生に聞いてみたら「過去にも2回程いとこの家のベッドを壊したことがある」と話してくれた。
学校にこの件を伝えた。そして留学生本人も納得し補償してくれたので一件落着。もちろん、即、横板の全取り換えをしたので不便をかけたのは1~2日だけ。
留学生は何らかの海外保険に入っている為、損害事故があっても補償が受けられるので心配無用!
突然、留学生が病気になった、どうしよう?
結果的にたいしたことにならなかったのでよくは覚えてないが、風邪か腹痛だったと思う。
我が家に滞在中の留学生の一人が病気になった。了解を得た上で近くのクリニックに連れて行ったが、事前に次の点を確認しましょう。
- すぐに保険がきくわけではないので診察してもらった時の費用
- 旅行保険でカバーされるか本人に確認
- 本人の意思。それを尊重する
- 可能な限り学校に相談。学校のアドバイスに従う(休日や夜は無理)
なお、学校では英語が通じる病院リストを持っているとのことだが、そのうちの1つの病院に行った留学生の話では、英語は通じなかったそうだ。
近所に外国人が住んでいれば英語の通じる病院を聞いてみるのもよい。
弟の話だが、フランスでは日本人旅行者が病気になった場合の病院への付添いサービスがあるらしい。調べたら日本にもあるようだ。
なお、政府発行の外国人旅行者受入可能な医療機関リストはこちら。
可能な限り英語の通じる病院リストを作っておきましょう!
トラブルがあったら真っ先に学校へ連絡する!
ベッドの件では学校に連絡する前に留学生に聞いたが、
- 原因が分からない時
- 留学生との信頼関係が構築できていない時
- コミュニケーションが取れない時
- 対応が分からない時
にトラブルが発生したら真っ先に学校にトラブルの内容を伝えることをおすすめします。対応を間違えると、
- トラブルがこじれる
- 先行きの共同生活が双方にとってやりづらくなる
かも知れません。
トラブルに直面したら真っ先に募集元(学校)に相談しましょう!
ホストファミリー関連記事
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おわりに
ホストファミリーになって体験したトラブル情報とトラブル対応策を紹介しました。
トラブル対応策や心配ごとに関しては、
- ホストファミリーに関するプロフィールは条件も含めて正確に書く
- 迷子にならないように最寄り駅までの経路・出迎え時間・出迎え場所・緊急連絡先などを来日前に伝えておく
- ただ、迷ったとしても連絡先と住所を伝えておけば大丈夫
- 留学生本人の為にもパスポートを携帯するようにすすめる
- 留学生は何らかの海外保険に入っているので事故があっても補償に問題はない
- 可能な限り英語の通じる病院リストを作っておく
- トラブルに直面したら真っ先に募集元(学校)に相談する
以上ですが、
- 留学生受け入れに不安を持っている方
- 東京五輪の時に観光客に宿泊してもらおうと考えている方
- 留学しようと考えている方
に少しでもお役に立てたなら幸いです。次のLessonもよろしくね!