WEリーグと海外女子サッカーリーグの圧倒的な違いは何か?

はじめに

東京五輪女子サッカーでなでしこジャパンは辛うじて決勝トーナメントに進出したものの準々決勝であえなく敗退。一方、金メダルに輝いたのは予想に反してカナダ女子代表であった。

その結果、2021年8月20日発表のなでしこジャパンFIFAランキングは史上2番目に悪い13位に後退(最低は2003年の14位)。Top5入りを逃したので、ワールドクラスの選手がWEリーグに参戦する可能性は極めて低くなった

WEリーグの目標であるファン拡大やなでしこジャパンのレベルアップはかなり厳しいものとなったが、なでしこジャパンをレベルアップさせる道はある。

WEリーグ v 海外女子サッカーリグなでしこジャパン v 強豪国代表チームを比較すると圧倒的な違いがあることが分かる。その違いを皆さんとシェアしてなでしこジャパン復活の道を探りましょう。

 

WEリーグと海外女子サッカーリーグの違い

2021年8月20日に発表されたFIFAランキング(Rank)順に強豪国のデータ①と②を紹介します。数字①はその国のトップリーグでプレーする選手数。数字②は日本が参考になります。さて、①と②は具体的には何の数字でしょうか? 

Rank

①     

②     

アメリカ

19

1

スウェーデン

2

9

12

ドイツ

3

10

2

オランダ

4

0

15

フランス

5

12

3

カナダ

6

-

22

ブラジル

7

0

10

イングランド

8

28

1

スペイン

10

15

3

オーストラリア

11

0

20

日本

13

0

6

   

外国籍の代表選手

上記のテーブルには東京五輪出場チームと不出場チームがリストアップされていますが、①と②の数字は東京出場メンバーか直近の代表メンバーの人数を表しています。

①の数字の解答

それぞれの国でプレーする外国籍の代表選手。即ち、アメリカのNWSLには東京五輪に出場した外国籍の代表選手19人が所属(その内10人はカナダ代表、1名は日本代表の宝田沙織選手)。イングランドのスーパーリーグには何と海外から28人の選手が所属。

日本・ブラジル・カナダ・オーストラリア・オランダのリーグでプレーする外国籍五輪代表選手はゼロですね。ただし、カナダにはプロの女子サッカーリーグはありません。

 

国外でプレーする代表選手 

②の数字の解答

もうお分かりですね。各国の代表のうち国外のリーグでプレーする選手数ですね。

アメリカとイングランド(イギリス)の東京五輪代表のうち外国でプレーする選手はわずか1名のみ。一方、国内リーグを持たないが金メダルを獲得したカナダは当然のことながら22名全員が国外でプレー。ベスト4のオーストラリアは20名、銀メダルのスウェーデンは12名、オランダは15名。

一方、WEリーグ(旧なでしこリーグ)から海外のトップリーグに挑戦するなでしこジャパン代表選手は6名。5大リーグの国(アメリカ、イングランド、ドイツ、フランス、スペイン)を除けば極めて少ない。

 

東京五輪ベスト4で分かる強豪国の実態

①の数字は外国籍の代表選手数、②の数字は外国でプレーする代表選手数でしたね。それではこれら2つの数字を足した合計値を見てみましょう。

合計値20以上が5カ国(アメリカ・スウェーデン・カナダ・オーストラリア・イングランド)。イングランドを除いて全て東京五輪女子サッカーベスト4のチームですね(イングランドは準々決勝でオーストラリアに延長戦3-4敗)。

 

アメリカ

20

スウェーデン

21

ドイツ

12

オランダ

15

フランス

15

カナダ

22

ブラジル

10

イングランド

29

スペイン

18

オーストラリア

20

日本

6

 

なでしこジャパン復活への道

上記の強豪国の実態から言えることは、WEリーグには海外代表選手が皆無。そして海外でプレーする日本人女子選手が少ない。この合計値が圧倒的に少ないのは日本だけ。よって、なでしこジャパンをレベルアップするには2つの道がある。

  • 外国の代表選手を多数呼び込んで国内リーグを強くする(5大リーグ)
  • 外国のトップリーグに多くの選手を送り出す(スウェーデン、オランダ、カナダ、ブラジル、オーストラリア)

東京五輪惨敗でFIFA女子世界ランキング13位に後退したため海外の代表選手がWEリーグに参戦する道はほぼ閉ざされた。日本男子サッカー同様、なでしこジャパンが飛躍するには海外でプレーするしかない。 

ただ、海外のリーグでもアメリカのNWSLかイングランドのスーパーリーグが最も望ましいが、フランス、スペイン、ドイツのリーグでもよい。現時点で5大リーグでプレーしている選手は7名。さらに10名ほどの選手が5大リーグに挑戦することを期待。

因みに、海外でプレーする日本人女子サッカー選手はこちらをどうぞ!

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おわりに

JFAの目標は2023年W杯優勝。そこに合わせて、2019女子ワールドカップには強豪国比で平均年齢の極端に若いチーム編成で臨み大舞台を経験させた。

さらに女子サッカーのプロ化とW杯誘致7。2023W杯誘致には失敗したが、2023年W杯優勝に向けて順風満帆にみえた。しかし、東京五輪で期待に反してメダル獲得に失敗。もはや海外のトッププレーヤー抜きでは「WEリーグ」全体のレベルアップは難しい。

ただ、選手のレベルが低い訳ではない。むしろ大いに成長している。惨敗の最大の要因は監督の無策であった。

WEリーグ開幕に水をさすようで申し訳ないが、願わくは、なでしこジャパン若手選手の海外リーグ挑戦。きっと活躍するでしょう。そしてなでしこジャパンの未来は明るくなる。

 

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