- はじめに
- 女子サッカー強豪国に変動?
- なでしこジャパン準々決勝で敗退、どうして?
- 強豪国の現在地
- 準々決勝展望(追記)
- ラウンド16展望(追記)
- グループリーグ展望
- 優勝争いは混沌!
- 強豪国の平均年齢・キャップ数など
- おわりに
- 女子サッカー関連記事
はじめに
(2022年10月4日掲載:2023年8月10日更新)2023年7月20日から8月20日まで開催されるオーストラリア・ニュージーランド共催の第9回FIFA女子ワールドカップがまもなく始まる。いつもの通り強豪国は全て出場。
そこで優勝国を予想するが、W杯優勝国となると非常に限られる。FIFA女子ワールドカップ1991年第1回以降の8大会における優勝はわずか4カ国(アメリカ4回、ドイツ2回、日本1回、ノルウェー1回)。
ところが、2023年大会の優勝争いは混沌としてきた。アメリカ以外の国になる予感。その1つがなでしこジャパン。ここ7年の実績を思い浮かべると信じられない話であるが、SheBelieves Cup 2023の内容をみればある程度理解できる。
本記事では、2022年6月以降の対強豪国(対戦当時のFIFAランキングTop10)試合結果と2023女子W杯決勝トーナメント表の2視点から2023女子W杯優勝国を予想をしますが、優勝予想に変更があればグループリーグ終了直後に更新します。
時々アクセスして頂ければ幸いです。
女子サッカー強豪国に変動?
2020東京オリンピック女子サッカーでカナダが優勝。これを大きなサプライズとして受け止めたのは私だけではないでしょう。2023年女子W杯でも波乱がありそうだ。
現時点で優勝を狙える強豪国と言えば、2023年6月9日発表のFIFAランキング順にアメリカ、ドイツ、スウェーデン、イングランド、フランス、スペイン、カナダ、ブラジルの上位8カ国だが、日本は、もちろん、オーストラリアも優勝争いに加わるだろう。
それでは強豪国の現在地をチェックして優勝争いの行方を探りましょう。
なでしこジャパン準々決勝で敗退、どうして?
スウェーデンは日本以上にハードワークとプレスを掛け続けて幸運なPK点を含む2点先制。日本がハードワークとプレスを発動したのは2失点後の53分過ぎからで、それからはスウェーデンを圧倒し始めたが、PK失敗などの不運も重なり、1点を返しただけで1-2敗。
敗因は、実力に勝るスウェーデンに対してワードワークとプレスを出し欲しんだため。前半から発動していれば間違いなく複数点取って勝ち星を掴んだはずだ。悔いの残る試合プランだった。残念でならない。
強豪国の現在地
東京五輪後、スウェーデンを除いてどの強豪国もある程度の世代交代を実施したが、あまりうまくいってないようで、多くの強豪国ではベテランが復帰している。
強豪国の現在地はどうなのか? 2022年6月以降の強豪国対戦成績でチェック。強豪国名の後の( )内の数字は2023年6月10日発表のFIFA女子ランキング。
アメリカ(1)
2021年11月末に世代交代を実施。成功したのか?
しかし、37歳ミーガン・ラピノーや33歳アレックス・モーガンなどレジェンドが復帰。2022年6月以降の成績は17勝3敗(6月8日現在)。強豪国との対戦成績は4勝3敗。
なお、2月20日SheBelieves Cup 2023、なでしこジャパン戦1-0辛勝は含まれていない。前半終了間際のカウンター攻撃で先制したが、互角の展開。後半はなでしこジャパンが中盤を支配し圧倒。
なでしこジャパンは無得点に終わったもののシュート数ではアメリカを圧倒(5-15)、これはアメリカにとって2016年8月6日フランス戦以来の少なさ。アメリカは2023W杯優勝候補の1~2番手には違いないが、米国内でもかなり不安視されている。
イングランド(4)
2022年6月以降のチーム成績は17勝3分1敗(6月8日現在)。その内、強豪国との対戦成績は7勝1敗。強豪国対戦で7戦連続勝利(PK勝3含む)であったが、4月12日オーストラリアにボール保持率71%にも拘らず0-2敗戦。それでも優勝候補の1~2番手。
スペイン(6)
2022年9月に主力15名が代表体制を問題視しメンバー招集辞退という前代未聞の異常事態が発生。その後、1.5軍で戦う中、10月スウェーデンに1-1、アメリカに2-0勝利。
2022年10月(新体制)以降の成績は9勝1分1敗、強豪国には1勝1分。1軍なら優勝候補に筆頭だが1.5軍では厳しいかもしれない。それでも優勝候補の3~4番手。2023女子W杯影の優勝候補についてはこちらをどうぞ!
フランス(5)
2022年6月以降の成績は13勝2分3敗。対強豪国2勝2敗。優勝候補の4~5番手。ルナール監督は3月末就任したばかりでちょっぴり不安。
ドイツ(2)
Euro2022でスペイン(2-0)、フランス(2-1)に勝利して準優勝。決勝戦ではイングランドに2-1敗。また、22年11月アメリカ遠征では1勝1敗。
2022年6月以降の成績は10勝1分2敗。強豪国には5勝1分3敗。特に2023年に入ってからは2勝1分2敗.。直近ではW杯に初出場のザンビア(日本と同組)相手に2-3敗。ある程度の世代交代を行っているが、パーフォーマンスが不安定。優勝候補の5~6番手。
スウェーデン(3)
2022年6月以降の成績は7勝4分3敗。強豪国には2勝3分2敗。直近では強豪国でないデンマークに0-1敗、ノルウェーに3-3など、2023年度はここまで1勝2分1敗。世代交代が進まず、チーム内競争なくして優勝なし? 5~6番手。
オランダ(9)
2022年6月以降の成績は11勝1分5敗。強豪国には0勝1分3敗。優勝候補から脱落。
カナダ(7)
2022年6月以降の成績は11勝1分5敗。強豪国には2勝4敗。
なお、SheBelieves Cup 2023 第3戦では日本に圧勝された(0-3敗)。シュート本数は日本の13本に対してわずか3本。何よりもカナダにとって2020年2月にアメリカ戦(0-3負)以来の3失点負け。屈辱的な敗戦と言ってよい。
アメリカでさえ五輪優勝後のワールドカップでは優勝したことがない。この点も考えるとカナダは優勝候補から脱落と考えた方が良い。
なでしこジャパン(11)
強豪国に4連敗していたが、前述の通りカナダに圧勝。その布石はあった。負けはしたが、ブラジル戦・アメリカ戦も互角以上の戦いができていた。得点するには運が少し足りなかっただけだ。
攻撃面ではボールロストを恐れずにDFからサイドハーフへのロングパス、前線への縦パスなどで積極的に仕掛け、ゴールを奪う姿勢を貫いた。また、ボールホルダーやパスの受け手に対して寄りを早くするなどボールを奪う意識が高かった。
3戦連続で強豪国に対して互角以上の戦いができるようになった。判断スピードやパス・クロス・シュート精度があがれば、勝利の確率は格段に上がる。2023女子W杯優勝候補の一角に躍り出たと言って間違いない。
2022年6月以降の成績は8勝1分5敗。強豪国との対戦は1勝4敗で下記の通り。
- 22.11 イングランド(4-0敗)
- 22.11 スペイン(1-0敗)
- 23.2 ブラジル(0-1敗)
- 23.2 アメリカ(1-0敗)
- 23.2 カナダ(0-3勝)
4月の欧州遠征でデンマークに1-0負けは痛いが、3バックシステムの完成度は確実に上がっているしW杯メンバー選考も非常に良かった。上位国の中で最も若いチームだが、ハツラツプレーができれば決勝戦へ進める。優勝候補の4~5番手。
なでしこジャパンの海外組に関する活躍はこちら!
オーストラリア(10)
開催国でしかも6月にFIFAランキングTop10入りで名実ともに強豪国。
2022年6月以降の成績は11勝2分5敗。強豪国との対戦は3勝3敗だが、直近ではスウェーデン、スペイン、イングランドに勝利し3連勝。ただ、4月7日にはスコットランドに0-1敗などパーフォーマンスがやや不安定。優勝候補3~4番手。
準々決勝展望(追記)
グループリーグ終了時点でスペイン・日本・オーストラリア・イングランドをベスト4と予想しているが、4チーム共準々決勝に進出。そしてラウンド16終了時点でもベスト4予想は変わらず。
これまでのパーフォーマンスを見るとフランス以外の欧州チームはプレスをかけられると苦戦している。アフリカや中南米のチームで素早いプレスを掛けハードワークしたチームは全てGL突破。プレスとハードワークが準々決勝の勝敗を左右するだろう。
ラウンド16展望(追記)
過去2大会、強豪国(FIFAランキングTop 10)は必ず決勝トーナメントに進んだが、今回はカナダ・ブラジル・ドイツがGL敗退の大波乱。今大会の決勝トーナメントでも波乱が起こりそうな予感がする。
特に不安視されるのはアメリカだろう。逆に波乱を起こすチームはナイジェリアやコロンビア。なお、順当にいけば、上位国ではスペイン、オランダ、日本、スウェーデン、イングランド、フランス、オーストラリアが準々決勝へ進むでしょう。
強豪国に関するラウンド16の展望は下記の通りです。
グループリーグ展望
アフリカ勢の大活躍で想定外の連続、その結果、決勝トーナメント進出はたったの10チームしか的中できなかった。
優勝争いは混沌!
大会開始前の予想
① 2022年6月以後の実績などをベースに予想
優勝確率の高い順に、
- イングランド 20%
- アメリカ 20%
- スペイン 15%
- オーストラリア 15%
- フランス 10%
- 日本 10%
- ドイツ 5%
- スウェーデン 5%
上記7カ国の優勝確率を足すと100%。
② 決勝トーナメント表から予想
- ベスト16 ノルウェー・ニュージーランド(or スイス)・カナダ・オーストラリア・スペイン・日本・イングランド・デンマーク・アメリカ・オランダ・フランス・ブラジル・スウェーデン・イタリア・ドイツ・韓国(orコロンビア)
- ベスト8 日本・アメリカ・スペイン・スウェーデン・オーストラリア・フランス・イングランド・ブラジル(or ドイツ)
- ベスト4 アメリカ(or日本)・スペイン・オーストラリア(orフランス)・イングランド
①実績ベースでも②決勝トーナメント表ベースでもベスト4は同じ。
グループリーグ終了直後の予想(追記)
ラウンド16展望に記した通り、アメリカのラウンド16敗退の可能性が高い。
大会前のベスト4予想は、アメリカ(or 日本)・スペイン・オーストラリア(orフランス)・イングランドでしたが、グループリーグの結果を踏まえて(あまり変わりませんが)スペイン・日本・イングランド・オーストラリアとします。
- ベスト8 スペイン・オランダ・日本・スウェーデン(or アメリカ)・イングランド・フランス・オーストラリア・コロンビア
- ベスト4 スペイン・日本・イングランド・オーストラリア
FIFAランキング導入後の過去5大会のW杯優勝は全て直前のFIFAランキングが4位以内のチームでしたが、現状は絶対女王不在。
東京五輪で当時FIFAランキング8位のカナダがおおかたの予想に反して優勝したように、2023W杯でも、上記のどの国にも優勝の可能性がある。FIFAランキング5位以下(イングランド以外)から優勝チームが出てきても驚くことはない。
強豪国の平均年齢・キャップ数など
おわりに
2023FIFAワールドカップ(オーストラリア・ニュージーランド共同開催)に関する個人的な見解として11カ国を優勝候補としてリストアップ。
絶対的なチーム不在のため、混沌とした優勝争いの予感がするが、可能性の高いのはイングランドとアメリカ、次に高いのはスペインとオーストラリア、日本も可能性あり。
なでしこジャパンですが、長い間、過去の記事でネガティブに語ってきた(なでしこジャパンの2023FIFA女子W杯GL突破に黄色信号点滅?など)が、長谷川唯・長野風花のイングランド女子リーグでの活躍、SheBelieves Cup 2023内容、若手の台頭をみて、「いけそう」と7年ぶりに期待感を覚えた。
誰も信じていない(2011年女子W杯でもそうだった)でしょうが、なでしこジャパンが再び世界の頂点に輝くのは2023女子W杯かも知れません。
みなさん、応援しましょう!
女子サッカー関連記事
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