はじめに
2023シーズン前半戦を終えて外国籍選手を含むJリーガーのパーフォーマンスはどうだったのか? 独自の基準でおよそ250名のJリーガーの実績を調査、ポジション別にランキング、そして前半戦のベストイレブンを選出。
私が選んだベスト11のうち2021年度は8名がJリーグアウォーズベスト11を受賞、昨年は6名が受賞しましたので、今回もほぼ同じ選考基準でベスト11を選びました。
前半戦だけでのベストイレブン選出ですが、ケガや海外移籍がない限り、最終結果と大きく変わることはないでしょう。それでは独自の視点で選んだ2023シーズンJリーガー前半戦ベストイレブンを皆さんとシェアしたいと思います。
独自の視点で実績評価
Jリーガーの2023シーズン前半戦の実績を4つの独自視点で評価。なお、これは欧州でプレーする日本人選手ベスト11選出と同じ評価基準。
リーグ点
リーグ点は全選手J1なので等しく10点。これはドイツ2部、韓国K1などと同じ。最高点は欧州4大リーグの50点。
クラブ点
クラブのレベルが高ければ出場する事さえ難しくなる。選手の成績を評価する尺度の1つが出場時間なのでレベルの高いクラブにおける出場減や得点減などを補てんする目的で所属クラブ世界ランキングに応じてポイントを付与(クラブ点)。
- Top 10 100 マンチェスター・シティなど
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- Top 100 60
- Top 150 50 川崎
- Top 250 40 横浜M、浦和
- Top 400 30 鹿島、名古屋、広島、神戸
- Top 600 20 C大阪、FC東京、
- Top 1000 15 札幌、鳥栖、G大阪、柏
- Top 1500 10 福岡、湘南、新潟
- Top 1500~ 5 京都、横浜C
出場点
具体的には出場時間を次のような方法で点数化(出場点)。
これまでの試合消化数を分母とする(17試合フル出場x90=1530)。リーグ戦出場時間が1000分の選手なら、出場点は1000/1530で65点。なお、クラブによっては16試合を分母とした。但し、ケガ・出場停止などは対象外とし分母から除外。
なお、リーグ戦以外の公式戦(国内カップ戦など)出場時間も90分毎に1点を出場点に加算。従って、出場点は100を超える場合もあり得る。
ボーナス点
得点・アシスト数・CS(GKのクリーンシート)を全公式試合対象に下記の通り評価に反映。但し、前半戦だけなのでボーナス点を年率換算(34/17=2倍)とする。浦和・神戸・川崎・湘南の場合1試合少ないので34/16=2.125倍。
- 得点 +2点
- アシスト +1点
- CS +2点
合計点
選手の評価ランキングを下記の合計で算出。
合計点=出場点+ボーナス点+リーグ点+クラブ点
具体的な計算例:満田誠選手のケース
出場点:リーグ戦17試合中11試合に出場。ケガで欠場した6試合は対象外。よって分母は11x90分=990分。リーグ戦出場時間911分÷990=92点。これにリーグ戦以外の公式試合出場時間224分÷90=2.5点(年率換算で5点)を加えて出場点は97点
ボーナス点:4得点4アシストなので(4 x 2)+ 4アシスト=12点(年率換算で24点)
リーグ点:10点
クラブ点:広島の世界ランキング358位なので30点
よって、合計点は97+24+10+30=161点
ポジション別ランキング
合計点(リーグ点+クラブ点+出場点+ボーナス点)でポジション別にランキング。
GK部門
- 大迫敬介・ランゲラック・早川友基・スウォビィク・朴一圭がリーグ戦フル出場
- 公式戦出場時間トップ3は大迫敬介(1890分、全体4位)、ランゲラック(1710分)、朴一圭(1620分)
- クリーンシートは前川黛也(9回)、大迫敬介(8)、西川周作・ランゲラック・上福元直人(7)。上福元選手はチョン・ソンリョンから正守護神の座を4月下旬に奪ったが、これまでの公式戦出場12試合中クリーンシート7試合は立派
- 合計点は前川黛也(180点)、大迫敬介(180)、西川周作(180)の順
- 例年と違いTop10に日本人GKが多い。ただ、合計点は例年より低い
(左の出場はリーグ戦、右隣の出場は全公式戦、CS-クリーンシート、A-アシスト)
DF部門
- リーグ戦フル出場は9人いるが、その1人の古賀太陽は公式戦1913分出場で全体1位タイ、佐々木翔は1908分で全体3位、藤井陽也は1889分で全体5位
- B点(得点x2+アシストを年率換算)は田中駿汰(18点)、毎熊晟矢(16)、A・ショルツ(15)の順で中盤の選手並みの得点関与
- 合計点は山根視来(171点)、A・ショルツ(167)、永戸勝也(163)の順
- Top3の点数がGK陣と同様、例年より低いが、これはAFCチャンピオンズリーグが秋に移行した為と考える
(左の出場はリーグ戦、右隣の出場は全公式戦、G-得点、A-アシスト)
MF部門
- リーグ戦フル出場は河原創のみ
- 川村拓夢は公式戦1913分出場で全体1位タイ、稲垣祥は1749分でMF陣2位、奥埜博亮が1724分でMF陣3位
- B点は浅野雄也(42点)、伊藤涼太郎(36)、脇坂泰斗(28)ダワン(26)、川村拓夢(24)の順
- 合計点は川村拓夢(172点)、伊藤敦樹(166)、脇坂泰斗(161)、森下龍矢(160)の順
- 上位選手の合計点はほぼ例年並み
FW部門
- リーグ戦フル出場はいないが、金子拓郎が1528分でFW陣1位、2位マテウス1488分、3位ルキアン1488分。以上の3選手は出場点でも100点越え
- B点はアンデルソン・ロペス(58)、大迫勇也(57)、金子拓郎(44)の順。武藤嘉紀・鈴木優磨・キャスパー・ユンカー・町野修斗が40点で4位タイ
- 合計点はアンデルソン・ロペス(207)、大迫勇也(193)、武藤嘉紀(179)、鈴木優磨(176)の順
- 上位選手の合計点はほぼ例年並みだが、FW陣トップ10入りの外国籍選手が例年より少ない
なお、22-23シーズンの欧州組の評価ランキング、ベスト11はこちら!
2023前半戦ベストイレブン
各部門の合計点上位1~4名から選出。
(黒字は2022年Jアウォーズ・ベストイレブン受賞者)
- GK 前川黛也
- DF 山根視来、アレクサンダー・ショルツ、永戸勝也、佐々木翔
- MF 川村拓夢、伊藤敦樹、脇坂泰斗
- FW アンデルソン・ロペス、大迫勇也、武藤嘉紀
現時点で首位の横浜からは永戸とロペスのみだが、連覇すれば、さらに畠中槙之輔(前半戦DF陣7位)、エウベル(FW陣6位)、渡辺皓太(MF陣13位)などがベストイレブンとなるでしょう。
一方、神戸が優勝すれば、前川黛也、大迫勇也、武藤嘉紀に加えて山口蛍などがベストイレブンに輝く可能性が高い。
なお、2022Jリーグアウォーズ・ベストイレブン受賞者は下記の通り。
- GK 高丘陽平
- DF 谷口彰悟、山根視来、小池龍太
- MF 脇坂泰斗、岩田智輝、水沼宏太
- FW 家長昭博、エウベル、マルシーニョ、チアゴ・サンタナ
おわりに
およそ250名の選手について2023前半戦における実績を調査、そして独自の視点で評価しました。
J1リーグのリーグ点はわずか10点の為、合計点100を超えるだけでも大変だがJ1登録632名のうち140名の選手が突破している。
パリ五輪世代では、細谷真大・半田陸・川崎颯太・本田風智の4名が100点越え。東京五輪の時と比較したら少なすぎる。パリ五輪大丈夫?
外国籍Jリーガーは「助っ人」として期待しているので合計点130を超えてもらいたいが、突破しているのは17名で外国籍選手の20%に過ぎない。100点越えは27名で30%強。「助っ人」としては物足りない。
欧州移籍の件に触れるが、常々、「合計点150以上のJリーガーなら実力に合った移籍先を選べば、欧州でも十分活躍できる」と発しているが、24歳以下の選手で150点以上の選手は、下記の通りで思った以上に少ない。しかも、五輪世代は細谷真大のみ。
- GK 大迫敬介
- DF 藤井陽也
- MF 川村拓夢・伊藤敦樹
- FW 満田 誠・町野修斗・細谷真大
今夏、上記の何人かは欧州移籍するかもしれませんね。
なお、本記事の次回更新は「Jリーグアウォーズ」発表前(最終節直前の12月1日頃)を予定。私が選ぶシーズンベストイレブンを掲載。その中から何名の選手がJリーグアウォーズベスト11を受賞するか楽しみです。
世界サッカー リーグ・クラブ ランキング
リーグランキングは年2回更新(2月、8月頃)。最新情報はこちらをどうぞ!
クラブランキングは毎月初旬に更新。最新情報はこちらをどうぞ!
市場価値でみる欧州リーグランキングは年4回更新、最新情報はこちらをどうぞ!
J1とスコットランドリーグのレベル問題に関してはこちらをどうぞ!