はじめに
外資系企業に転職するには、外資系転職サイトを利用することが一般的である。転職サイトには転職エージェントの視点で職務経歴書の書き方や面接ポイントなどの情報が手に入るのでたいへん参考になる。
本記事では採用決定権を持つ現場の部門長の視点で大まかな採用プロセスや採用基準などを紹介しますが、企業規模・職種等によって多少異なると思います。あくまで一例という事でご了承願いたい。
- 採用プロセス
- 採用決定権は部門長にあり
- インタビューへ進める候補者は3割
- インタビューへ進むには募集要項合致が必須条件
- インタビューでのチェックポイント
- 英語力が重視されるとは限らない
- 候補者からの適切な質問は大歓迎
- 大手外資企業への転職のハードルは高い
- 英文職務経歴書の書き方などのサイト紹介
- 英語関連記事
- TOEIC Part別オンライン無料問題
採用プロセス
大手外資系企業なら新卒社員の一括採用を実施しているが、中小の外資系企業では中途採用が一般的である。
中途採用するのは欠員補充か業務拡張する時で大まかなプロセスは、
- 部門長が募集要項(職務・経験・スキルなど)作成
- 人事部へ募集要請
- 人事部から転職エージェントへ人材紹介依頼
- 転職エージェントから人事部へ候補者紹介
- 部門長は職務経歴書に目を通し書類選考
- 部門長は候補者とインタビュー(面接)
- 人事部よりエージェント(候補者)へ結果報告
- 2次・3次面接(部門長の上司)実施
- 人事部からエージェント(候補者)へ内定通知
なお、利用する転職エージェントは職務やPositionによって大きく異なる。
採用決定権は部門長にあり
人事部は職務経歴書を見たり面接も行うが、会社の概要・報酬などの説明や人物評価が主たる目的である。余程のことがない限り人事部が候補者を落とすことはしない。
候補者の採用決定権はあくまで部門長である。最終面接では部門長の上司や社長となるがその時点で落とされることはほとんどない。
なお、課長職以上の採用の場合、少なくても2~3回の面接を実施する。いずれかの面接の一部あるいは全部は英語になると考えた方がよい。
例えば、本社がアメリカにある場合、本社の部門長と電話インタビューやビデオ会議をすることもある。また、日本の部門長募集の場合、本社の部門長がわざわざ来日して面接したりする。
いずれにしても管理能力の評価項目なので全責任は現場の部門長にある。
インタビューへ進める候補者は3割
部門長は職務経歴書を見てインタビューするかどうか即決する。1名採用で10人候補者がいれば、インタビューするのは2人~4人。仮に該当者が1人の場合、たいてい別なエージェントに人材紹介を依頼する。平均したら3割の候補者が面接へ進める。
インタビューへ進むには募集要項合致が必須条件
職務や職位によって異なるが、募集要項(求める人材)にマッチした人材かどうかが最大の決め手になる。
特に、欠員補充の場合、即戦力を求めているので「求めるスキルと実績」があるかどうかを執拗にチェックする。
例えば、
- システムアナリスト募集なら、候補者がどんな優秀なプログラマーでも書類選考でアウトなるだろう
- 逆に、プログラマー募集なら、その一段上のシステムアナリスト経験者が応募してもインタビューに進むのがやっと。インタビューに至ったとしてもオーバースペックという事で応募した理由を問われる
- 同じく管理者を募集しているのに管理経験のない応募者はたいていインタビューまで至らない
- また、販売先が小売業界の会社に応募しても卸業界での営業経験だけでは書類選考でかなり不利になる
インタビューでのチェックポイント
当然のことながら募集要項に沿ってチェック。インタビューを通して職務・実績・スキルの確認は元より、
- コミュニケーション
- リーダーシップ
- 創造力
- 決断力
- 問題解決能力
- 交渉力
- 適応力
- 自主性
- 自己研鑽
などを評価するので具体的に質問された場合の返答例を考えておかなければならない。プロジェクト経験を引き出せば分かりやすい。
応募者が返答に窮するのは未経験のことや想定外のことを質問された時でしょう。そんな時はポジティブな返答に限る。未経験の質問に対しては「チャレンジすることは大好き・・・」など、適切に返答しないと適応力が疑問視されてしまう。
英語力が重視されるとは限らない
特別な職務(英語必須)は例外として、課長職上でない限り英語力を重要視することはまずない。あくまでが最重要視される。
ただ、英語力が重視されるのは経験・スキルに大きな差がない候補者を2者択一しなければならないケースだ。
もし英語力が低くても「求める人材で将来性もある」候補者なら「英語を習得する」という熱意さえあれば、入社後、英語のレッスンを受けさせてくれるでしょう。
候補者からの適切な質問は大歓迎
たいてい候補者に質問の時間が与えられるが、その時に適切な質問をしないと評価は低くなりがち。募集企業のホームページなどを参考にして適切な質問(調べればわかるような質問はダメ)を2~3つ考えておくことをおすすめする。
大手外資企業への転職のハードルは高い
中小企業から大手外資企業への転職を希望する場合、職務経歴書の内容が素晴らしければインタビューへ進める。しかし、採用となると少々「業務規模が小さい」というハンデが付きまとう。
例えば、大手企業なら大勢で大規模システム開発を手掛けることになる。中小企業ではそんな経験はまずない。よって大規模システム開発経験がないとというだけで評価が低くなる。
英文職務経歴書の書き方などのサイト紹介
詳細な書き方・インタビューのポイントなどは、下記の転職サイトのホームページなどを参考にしてください。内容はほとんど変わらない。書き方の例もあるので職種が合えば、参考にしたらよいと思う。
なお、通常、英語と日本語の職務経歴書を求められる。大事なポイントとして、応募先が求める人材や職務に合わせて多少書き換えすることをおすすめする。
- 英文履歴書(英文レジュメ)の書き方マニュアル
- 英語・英文での職務経歴書(レジュメ)の書き方
- 英文履歴書/英文レジュメの書き方を徹底解説
- 英文の職務経歴書テンプレート 書き方とサンプル
- グローバル転職虎の巻-CV(英文履歴書)
- 外資系企業の面接は必ずここを見る
- 外資系企業への転職~面接パーフェクトガイド
- 外資系の採用面接で気をつけるべき日本企業との「違い」
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おわりに

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中途採用の場合、現場の部門長が意思決定を下す外資系企業がほとんどと推察する。一方、新卒採用の場合は、人事部が全て意思決定すると言うよりも複数の部門長によるグル―プ面接。その結果の報告を受けた人事部が内定判断をする。
企業側が候補者を判断する情報源は主に3つ
- 職務経歴書(履歴書)
- レファレンスレター
- インタビュー
インタビューを受ける上で重要なのは言うまでもなく職務経歴書、その内容が求める人材にマッチしているかが大きなポイントとなる。
また、レファレンスレターは、応募者が知り合いに頼んで書いてもらうが、このレターの提出を求める企業もある。私も元部下に頼まれて書いたことがある。これも書類選考での貴重な判断材料となる。
オファー判断はインタビュー次第であると言っても過言ではない。そのベースとなるのが職務経歴書。これを詳細に読んで質問する内容やチェックすべき点を洗い出しておいてインタビューを実施する。
候補者はどんな質問がされるかを想定して事前準備しておくことでオファーを受ける可能性が高まる。ただ、質問の意図を読み取って直接関係する内容に絞って簡潔に返答しなければならない。
これまでの自身の採用経験と転職経験を踏まえて書きましたが、少しでも外資系への転職を考えている方の参考になれたなら幸いです。