はじめに
(2024年5月28日更新)
23-24 欧州の国内リーグ戦がごく一部を除き終了。そこで23-24 シーズン欧州組など日本人サッカー選手評価をランキング形式で紹介。
リーグもクラブも異なるので単純に比較できませんが、リーグやクラブのレベルを反映させた独自の方式使って68名の23-24シーズン実績を評価。そしてベスト11を発表します。
本記事に納得できないと思われる方は沢山いらっしゃると思いますが、是非、皆さんとシェアしたいのでよろしくお願いします。
独自の視点で評価
選手個人の評価に推定市場価値がある。ただ、市場価値は現時点での評価と必ずしも比例しない。何故なら、市場価値は選手の将来にわたるプレー可能期間の長短で変わるので一般的には若い選手ほど市場価値は高く評価される。
そこで市場価値とは異なる4つの独自視点(過去と同様)で評価(出場時間が少なくても5大リーグのビッグクラブでプレーする選手の評価は高い)。
リーグ点
リーグレベルが高いとなかなか結果(得点など)を出すのは難しくなる。そこで2024年1月のリーグ世界ランキング(情報源とランク分けはthe Kick Algorithms)に応じてポイントを付与(リーグ点)。例えば、
- 50点 プレミアリーグ
- 45点 ラ・リーガ、セリエA、ブンデスリーガ
- 35点 リーグアン
- 30点 ブラジル
- 25点 ポルトガル、オランダ、MLS、チャンピオンシップ(イングランド2部)、トルコ、アルゼンチン
- 20点 サウジアラビア、ベルギー、ウクライナ、メキシコなど
- 15点 スコットランド、J1、K1、ドイツ2部、スイス、デンマークなど
なお、最新リーグ世界ランキングはこちら!
クラブ点
クラブのレベルが高ければ出場する事さえ難しくなる。選手の成績を評価する尺度の1つが出場時間なのでレベルの高いクラブにおける出場減を補てんする目的で2024年5月のクラブ世界ランキングに応じてポイントを付与(クラブ点)。
- Top 10 100
- Top 25 90
- Top 45 80
- Top 70 70
- Top 100 60
- Top 150 50
- Top 250 40
- Top 400 30
- Top 600 20
- Top 1000 15
- Top 1500 10
- Top 1500~ 5
なお、月1更新のクラブ世界ランキングはこちら!
出場点
出場時間は超一流選手のバロメーターの1つ。彼らは試合数が多いので、GKなら年間およそ4500分前後、DFなら4000分、FWやMFなら3500分前後出場。ケガなどが少なくタフでないと超一流選手になれない。
出場時間は選手を評価する最重要基準と考えている。そこで選手の出場時間を次のような方法で点数化(出場点)。
それぞれのリーグのシーズン試合数を分母として使用。例えば、ブンデスリーガ1部なら分母は3060(全34試合フル出場)。リーグ戦出場時間が2000分の選手なら、出場点は2000/3060で65点。
但し、ケガ・出場停止などは対象外とし分母から除外。シーズン中移籍の場合、移籍後の出場可能時間を分母として使用。
なお、リーグ戦以外の公式戦(欧州CL・欧州EL・国内カップ戦など)出場時間も90分毎に1点を出場点に加算。従って、出場点は100を超える場合もあり得る。
ボーナス点
得点・アシスト数・CS(GKのクリーンシート)を下記の通り評価に反映。シーズン中の場合は消化試合に応じて年換算(例、年34試合で消化試合が17なら年換算率は2倍となる)
- 得点 +2点
- アシスト +1点
- CS +2点
合計点
合計点=出場点+ボーナス点+リーグ点+クラブ点
具体的な計算例 南野拓実選手のケース
出場点:リーグ戦34試合中30試合。4試合ケガなどで欠場。よって分母は(34-4)x90分=2700分。リーグ戦出場時間2127分÷2700=78.8点。これにリーグ戦以外の公式戦出場時間61分÷90=0.67点を加えて出場点は79.4点
ボーナス点:9得点6アシストなので(9 x 2)+ 6=24点
リーグ点:フランス1部リーグは35点
クラブ点:モナコの世界ランキングは現時点で37位→80点。よって、
合計点:79.4+24+35+80=218.4点
ポジション別ランキング
サマリー
合計点でランキングするが、これではどうしてもFWに有利になってしまう。そこで評価ランキングはポジション別。ただし、68名調査した中で、原則、合計点110点以上の選手のみ掲載。
GK
- 鈴木彩艶、夏に移籍後、第5節目からは代表で召集された4試合を除いて全試合にフル出場。日本代表の守護神となる逸材
- シュミット・ダニエル、夏の移籍が直前で破談となり鈴木彩艶の加入で正守護神の座を失ったが、ケガをした正GK代役としてヘントへ移籍。1月~3月初旬にその責務を担った
- 中村航輔、昨季苦節3年目でようやく正守護神の座を獲得したのに、9月12日対トルコ代表戦(4-1)で右肩を負傷、正守護神の座を失うという不運に見舞われた。しかし不屈の精神で今年1月復帰。その後は全試合フル出場
DF
- 伊藤洋輝、シュトゥットガルトのチーム失点はレヴァークゼンに次いで少なかった。そのDF陣の要としてリーグ戦2位の立役者の一人。合計235点は堂々の欧州組全体1位
- 冨安健洋、DF陣では文句なしの最優秀選手だが、ケガなどの影響で出場点はわずか61点止まり。そのため合計点は218点でDF陣2位、欧州組全体6位
- 菅原由勢、今季も4G7アシストでDF陣で断トツの1位。出場時間3685分は欧州組全体3位。合計点はDF陣3位の207点
- 町田浩樹、出場時間3876分は欧州組全体2位。合計点はDF陣4位の193点
- 板倉 滉、ケガなどで公式戦出場時間はわずか1734分、出場点が伸びず合計点はDF陣5位の191点
- 渡辺 剛、今季も出場時間4577分で欧州組全体1位、まさしく鉄人。合計184点でDF陣6位
MF
- 遠藤 航、メガクラブのリヴァプールへ移籍、しばらく途中出場が続いたが昨年12月からレギュラー定着。合計227点はMF陣1位、欧州組全体で2位
- 守田英正、スポルティング優勝の立役者の一人。合計212点でMF陣2位
- 鎌田大地、ラツィオでは終盤にようやくレギュラーの座を掴んだが、時遅しで出場点は49止まり。得点関与率も減り合計は期待外れの180点でMF陣3位
- 旗手怜央、MF陣4位だが。わずか1209分の公式戦出場で今季終了。ケガで出場時間が少なく、合計163点はMF陣5位
- 田中 碧、1部昇格とならなかったが、8G4アシストなどでMF陣5位の合計162点
- 川辺 駿、クラブ点で遠藤よりも85点低い15点だが、MF陣最高の7ゴール9アシスト。合計143点はMF陣6位、ご立派
FW
- 堂安 律、昨季より2得点増など、万遍なくポイントを稼ぎ合計224点でFW陣1位、欧州組全体で3位
- 久保建英、昨季より得点も出場時間も落としたが、合計223点でFW陣2位
- 南野拓実、今季復調(昨季は合計132点)、合計218点でFW陣3位
- 三笘 薫、ケガが長引き後半戦はほとんど出場なし。合計214点でFW陣4位
- 古橋亨梧、昨季より大幅に得点を減らしたが、それでも19G5アシストでB点43は全体1位。合計210点でFW陣5位
- 前田大然、伊東純也、それぞれ合計点191と189で6位、7位
23-24 欧州組ベスト11
代表チームを組むわけではないが、ある程度ポジションを考慮してベスト11を選出。
MFには鎌田を選びたかったが、出場点が49なので田中 碧を選出(赤字の選手は私のベスト11を4年連続受賞)
- GK部門:鈴木彩艶
- DF部門:伊藤洋輝、菅原由勢、冨安健洋、町田浩樹
- MF部門:遠藤 航、守田英正、田中 碧
- FW部門:堂安 律、久保建英、南野拓実
なお、22-23シーズンベスト11に関してはこちらをどうぞ!
また、21-22ベスト11は、
- GK部門:シュミット
- DF部門:冨安、菅原、伊藤、板倉
- MF部門:鎌田、遠藤、原口
- FW部門:古橋、伊東、堂安
おわりに
私はこの独自の基準でJリーガーを含む日本人サッカー選手の評価を毎年ランキングしていますが、本記事でも、ほぼ同じ基準で欧州組を評価。
最近、海外移籍の日本人選手が増えていますが、Jリーガーの欧州移籍について感じた点は「Jリーグで実績を残した選手は欧州へ移籍してもそれなりに活躍できる」こと。
それでも、移籍すると言葉・生活習慣など環境がガラリと変わり、大きなハンディを抱えてプレーすることになる。特に1年目は厳しいが、自分で選んだ道だ、今回評価の低かった選手はいっそう頑張って欲しい。
独断と偏見に基づいたランキングでしたが、日本代表選手招集予想や欧州移籍などの際の参考にして頂ければ幸いです。
なお、こちらに記事もご覧いただければ嬉しい限りです。
最新の日本人選手市場価値ランキングについてはこちらの記事をどうぞ!
リーグ市場価値ランキング Top 100についてはこちらをどうぞ!
世界のリーグレベルに関してはこちらの記事をどうぞ!
市場価値でみる欧州リーグランキングは年4回更新、最新情報はこちらをどうぞ!
スコットランドリーグレベルに関してはこちらをどうぞ!